アルバ文庫<br> 私たちは長崎にいた

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アルバ文庫
私たちは長崎にいた

  • 著者名:永井隆
  • 価格 ¥293(本体¥267)
  • サンパウロ(1997/02発売)
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  • ISBN:9784805697252
  • NDC分類:916

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内容説明

原子野に残されたものは、灰とわずかに生き残った者たちと、その心に深く刻み込まれた「ひび」だった。命をながらえた者は生き残ったがゆえに、「私は隣人を見殺しにした」、「私は仕方なく盗みをした」といった、生涯消えることのない心の痛みを抱え、さらにはこの「私」を「彼」に置き換えた記憶も引きずることになる。
本書は、死の間際にある永井博士が編者となり、生存者の壮絶きわまりない体験で構成された「平和への叫び」である。
証言者の中には、博士の2人の子も含まれ、妹カヤノの感想は、お母さんも一緒に天に昇ったのだから「原子雲は、あんなにきらきらと美しかったのです」で結ばれる。
一方、兄誠一の話は、次の一節で締めくくられている。「刀をふり上げてぼくを切ろうとする人から、刀をもぎ取るもよいが、刀を持たせたまま、柔らかく胸に抱きこむ勇気と知恵を、ぼくはほしい」
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

39
あの日あのときに、長崎にいた人たちの言葉を集めたもの。さすがだなと思うのは、浦上の人たちの地域力。隣組制や時代というのもあるのかもしれないけれど、どこの誰というのを把握しているのに驚いた。皆カトリック信者なので、日常的に『隣人を愛せよ』という教えを意識していたはずなのに、原爆下では我が身が一番大事で、恐怖におののいてしまい、弱っている人たちに手を差し伸べられなかった苦しみが描かれている。罪悪感や後悔の念に苦しんでいる人たちの告白には、心が痛くなる。戦争は、肉親の間に、心のヒビを刻み込む。2016/11/08

しゅん

7
8月9日の長崎市浦上を生き残り、多くのものを失った人々の記録。永井隆の周りにいた人々の文章を集めてるから、当日の運命がそれぞれに交差していて、中には幽霊めいた話もでてくる。被害者が加害者意識を抱えだすプロセスとその(他者と自分への信頼を失うことの)痛みを感じ取った。2020/08/05

Yossan

1
長崎は、一時期仕事で頻繁に行き来した、思い出の街です。今日、ローマ教皇も来日されていますが、絶対に繰り返してはいけないこと、そう思い、拝読しました。2019/11/24

masayukimi

1
1986年11月読了

小野妹子

1
長崎の原爆の体験記。今まで、原爆といっては広島のことばかり考えていたことに気づかされた。体験記は筆者の親戚や、近所に住んでいた人たちによるもので、爆弾投下によって一つのコミュニティがどう揺れ動き、崩壊したのかを生々しく感じ取ることができる。2014/06/04

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