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内容説明
ヴェトナムは一億人の国になろうとしている。ヴェトナム戦争では大きな犠牲を払いながら独立を堅持、経済成長のダイナミズムは二十一世紀のヴェトナムの発展を約束している。このエネルギーはどこから生まれるのだろうか。ヴェトナム人のこころ、民族の象徴として親しまれている建国の王フン・ヴォン(雄王)から、独立の指導者ホ・チ・ミンに至る歴史群像を語り、あくなき抵抗と独立の戦いに勝ち抜いてきた逞しい国民性の根源を探る。
目次
序章 ヴェトナムとインドシナ
第1章 中国支配の時代
第2章 独立そして国のかたち
第3章 南進の時代・国際社会との出会い
第4章 フランス植民地時代
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぽぞう☆
14
中公新書の「物語 〜〜の歴史」は中国、朝鮮、スペインについで4冊目かな?忘れてるだけでもっと読んでるかも。ヴェトナムは通史とトピックが盛り込まれていて読み応えがあった。BC2880年から始まる神話時代、中国に支配された時代、フランス・日本に占領された時代、そして独立。粘り強い国民性を感じる。「むら社会」主義というのはよくわかる。2016/02/04
coolflat
11
ヴェトナムの歴史とは。紀元前から始まる中国の千年の支配(前漢~五代十国期)を経て、約1000年紀からやっと独立の時代(李朝→陳朝→黎朝→西山朝→阮朝)が始まる。しかし独立したとはいえ、常に中国の侵略に怯え、抵抗した100年だった(陳朝~黎朝の間は明の永楽帝が支配)。19世紀後半に入ると、列強による帝国主義政策が加速する。ヴェトナムはフランスの植民地となり、太平洋戦争が始まると日本の侵略を受けた。なお、本書の記述はここまで。戦後におけるフランスとの独立戦争や、米国とのヴェトナム戦争は本書には記されていない。2016/07/13
Francis
10
20年ぶりに再読。前回読んだときとても面白く読めたが、今回も面白く読めた。北の大国中国と植民地時代の宗主国フランスへの抵抗の歴史を中心にベトナムの歴史が語られる。2013年ハノイ旅行した時に見た文廟の記述があったことを忘れていたのはちょっと悔しかった。このような苦難と栄光に満ちた歴史があるからこそ、ベトナムはあのようにエネルギッシュな発展が期待されていることを改めて理解。2017/04/05
スー
10
人名と地名で苦戦するもなんとか読み終わりました。本当に独立と抵抗の戦いの歴史なのですね。中国との戦い、力を見せてから和を結び南にあるチャンパ王国やカンボジアなどと戦い領土を南まで拡げ今の形になっていく。いつもベトナムの首都が真ん中ではなく北にあるのを不思議に思っていましたが、この本を読んで納得しました。ベトナムの脅威は常に北から来るからなんですね。2017/01/13
hitsuji023
8
名前や地名になじみがないので教科書を読んでいるような感じだった。文化について興味があるひとにはおすすめしない。印象としてはとにかく戦争が多く、中国や周辺諸国の影響を受けやすい国という感じがした。繰り返された戦争の歴史。歴史は繰り返すというがこういう歴史は繰り返してほしくない。2021/03/06