- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
物語とは何か。世界のうえに表象として燦然と姿をあらわす大きな「物語=レシ」の影に隠されて、日本語として物語は、その意味をあらためて問いなおされることがない。だが、『源氏物語』や『今昔物語』などの物語を称する文学の誕生以前に、フルコトとモノガタリという二つの種類の叙術があったのだとすれば、物語の意味は決して自明な事柄でなくなる。『古事記』『古語拾遺』『歌経標式』などの文献に分け入り、物語文学を支える多様な系の一つの「フルコト」の発見を通して、物語の起源を探究するスリリングな論考。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
9
「起源というものはじつにしばしば、後代につくりだされて、前代の"事実"としてあたかもあったかのごとくに説明するという性質のものだ。昔あったことの説明として提出されるのが端的に言って"起源"であるから、それらはほとんどいつでも言語によってもたらされ、真実らしさを身にまとって話題に供せられる。起源説話(=起源譚)の意味をつよくもつ語として、以下に見るように、コトノモノという語が、上代の文献を中心に頻出する。平安時代にはいっては死語になりつつも、古辞書のたぐいになおその語を見かけることがある。」2019/07/15
tyfk
8
「和歌の原型に歌謡というものがあり、その歌謡からフルコトが来ている、という見当は、たぶんつけておいたほうがよい。和歌はもううたわれなくなった歌謡である(=原則として和歌は「詠む」と言い「歌う」とは言わない)から、両者は袂を分かっている。しかし、和歌が歌謡を復活させないとは言い切れないある種の近親関係にあることもまたいうまでもないことで」p.822024/04/30
袖崎いたる
4
藤井貞和の書き方はどくとくやな。吉本隆明をほうふつとさせる詩語的捻転でもって書かれる。こちらは意趣がつかみにくくて困る。フルコトは和歌をやってるとなんとなくピンとくるものがある。枕詞を敢えてつかう、その敢えてがそれだ。古事・古言・旧辞。あれらの使用は魔術の詠唱キーのようなもので、そこから時系列的には新たなものに位置する自己を発動させるのが、詠む。モノガタリだと、フルコトという詠唱キーがTPOの三次元宇宙に霧散していて、そのキーがつどつどに結集するダイナミクスに身を委ねた結果の言語行為となる。2021/08/22
-
- 電子書籍
- 濱地健三郎の呪える事件簿 角川文庫
-
- 電子書籍
- 祈りと署名 ビームコミックス
-
- 電子書籍
- 荒川アンダー ザ ブリッジ 13巻 ヤ…
-
- 電子書籍
- 土佐の一本釣り(20) ビッグコミックス
-
- 電子書籍
- 都会のシンデレラ シンデレラに憧れて …




