内容説明
薩摩藩相続をめぐって、お由羅一派の意をうけた牧仲太郎の呪詛は、家督を継いだ斉彬のうえに及ぶが、その阻止を謀る仙波小太郎の追及も急である。一方、藩内上士と下士の対立はいよいよ熾烈化し、風雲児益満休之助ら改革派の策動は着々と基礎を固める。――南国薩摩のお家騒動に想を借りて、激動する幕末維新期の様相を、経済、因習、新旧勢力の対立と抗争など、重層的ダイナミズムの中に捉える意欲大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
独居202
2
直木三十五の代表作という事で読んでみた。時は幕末、史実にある薩摩藩の「お由羅騒動」を題材に巻き起こる策謀、剣戟、恋愛等々。話自体は割と追いやすいものの、時代小説特有の文章なのか、直木三十五の文章のクセなのかは分からないが、所々読みにくくて苦戦。つまらない事はないが、取り立てて面白いわけでもなかった。氏は小説より「大衆文芸作法」や「日本剣豪列伝」のような指南本や評論本が面白いと私は思う。2017/10/22
CCC
2
読み終えてみると何だか大河っぽいような気もしなくもなかった。ページの分量に反してそんなに重くはなく、結構純粋にエンターテイメントだったと思う。同時代の作家と比べて、あまり読まれていないみたいなのが少し不思議。司馬遼太郎とか吉川英治が読めるなら、余裕だと思うのだけど。2012/09/12
ken
0
この長さじゃなかなか普及はしないと思った。2013/01/21