記憶術のススメ 近代日本と立身出世

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記憶術のススメ 近代日本と立身出世

  • 著者名:岩井洋
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 青弓社(2014/03発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784787231321

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内容説明

急速な近代化が進められた明治20年代に一大ブームを巻き起こした「記憶術」。卓越した記憶力の獲得という国民の欲望を扇情した仕掛け人たちの戦略をさぐり、その背景としての日本近代の形成を大衆意識の変容と教育を軸に簡明に解読する。
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目次

はじめに──〈近代〉という歴史の「おもちゃ箱」のために第一章 和田守記憶法とその反響 和田守菊次郎の登場/和田守菊次郎の記憶術/和田守菊次郎と糸平事件/〈ひったくり〉と「三百代言」/田中平八と吹田勘十郎/記憶術にかけた人生第二章 記憶術の流行──明治二十年代を中心に 安誦できぬほど増えた記憶術/「ハードな」記憶術/「ソフトな」記憶術/記憶術のなかの「故郷」/東の和田守、西の島田第三章 「内面の発見」と記憶術 「ハードな」記憶術と脳の「発見」/神は頭蓋骨に宿る──骨相学の誕生/解剖する文学/内面への旅──心理学の導入/殺されたもののゆくえ/催眠術ブーム/「動物磁気」から催眠術へ/〈術〉のエコノミー/千里眼ブーム第四章 立身出世と記憶術 螺旋状の誘惑/競争社会へのプレリュード/『西国立志編』と『学問のススメ』の反響/「受験生」の誕生/「アメとムチ」のシステム/加熱化する試験/一斉授業と教室空間の変容/「問答法」という名の記憶術/オブジェクト・レッスンの受容と変貌/教員養成という課題/マニュアル化された教育実践おわりに──記憶術のなかの〈近代〉あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シルク

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ガッと中身要約!明治20年代日本で「記憶術」ブームが巻き起こった。当時唱えられた記憶法は、語呂合わせのように我々にも馴染みのものから、記憶力を増進させる秘薬の作り方等怪しげなものまで多種多様。流行の背景には主に2つの出来事があった。第1に「記憶や知識は脳のなかにある」という観念の流布。第2に暗記を必須とする試験を何より重視する近代学校制度の成立。更にその後景に広がる能力主義の時代(生まれに関わらず能力で社会の中での位置が決まる。更に試験突破等一定の行路を経ることが、社会階層間移動の必須条件となる)の幕開け2014/08/31

Като́н

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明治二十年代を中心に流行した記憶術。記憶術についての本なんて著してたんだ井上円了。しかもそれと同時期に井上円了をはじめ宮武外骨などが忘却法についての書物も出しているのは興味深い。日本のセクゾロジーの原点ともなったゼームス・アストン『造化機論』(明治八年)からオナニーが骨髄や脳を痛めるという説が流布するようになった。健康読本も多く出版され、衛世局の設立とともに国家衛生思想が形成される。薬もよく売り出され、誇大広告に対する批判も多く現れる。有名なところでは福沢諭吉の売薬論など。2024/06/19

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