内容説明
急速な近代化が進められた明治20年代に一大ブームを巻き起こした「記憶術」。卓越した記憶力の獲得という国民の欲望を扇情した仕掛け人たちの戦略をさぐり、その背景としての日本近代の形成を大衆意識の変容と教育を軸に簡明に解読する。
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目次
はじめに──〈近代〉という歴史の「おもちゃ箱」のために第一章 和田守記憶法とその反響 和田守菊次郎の登場/和田守菊次郎の記憶術/和田守菊次郎と糸平事件/〈ひったくり〉と「三百代言」/田中平八と吹田勘十郎/記憶術にかけた人生第二章 記憶術の流行──明治二十年代を中心に 安誦できぬほど増えた記憶術/「ハードな」記憶術/「ソフトな」記憶術/記憶術のなかの「故郷」/東の和田守、西の島田第三章 「内面の発見」と記憶術 「ハードな」記憶術と脳の「発見」/神は頭蓋骨に宿る──骨相学の誕生/解剖する文学/内面への旅──心理学の導入/殺されたもののゆくえ/催眠術ブーム/「動物磁気」から催眠術へ/〈術〉のエコノミー/千里眼ブーム第四章 立身出世と記憶術 螺旋状の誘惑/競争社会へのプレリュード/『西国立志編』と『学問のススメ』の反響/「受験生」の誕生/「アメとムチ」のシステム/加熱化する試験/一斉授業と教室空間の変容/「問答法」という名の記憶術/オブジェクト・レッスンの受容と変貌/教員養成という課題/マニュアル化された教育実践おわりに──記憶術のなかの〈近代〉あとがき
感想・レビュー
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