内容説明
結婚式を12時間後に控えた杏子は、過去と訣別するために男とベッドにいた。男――佐上は、杏子の胸に爪でSの字を刻んだ。挙式直後から杏子を翻弄する異常な出来事。そして「理想の夫」構一の不可解な言動に罠の匂いを感じ取った杏子は、「幸せ」を守るために決然と立ち向かっていったが、逆に……。彼女が最後に信じたものは何か? サスペンスフルな恋愛小説!
感想・レビュー
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浅木原
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いやはや、という言葉しか出てこない長編。愛人関係を捨てて理想的な夫と結婚した女の元に、不倫相手からの嫌がらせが始まる……という話が最終的にどうしてこんなことになるのか。次から次へと事態の様相がひっくり返っていき、最後の展開にはもう笑うしかない。こんな複雑怪奇な計画あり得んだろう、という意味では主人公が罠に落ちる系列の現代ミステリーの典型的なパターンではあるんだけど、着地点が全く見えないのと主人公が無自覚に酷いので、面白いけど読んでて非常に疲れる。色んな意味で連城三紀彦らしい長編ではあるけども。いやはや。2014/09/11