内容説明
取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深い悲しみに包まれた殺人事件に遭遇する。臨床犯罪学者・火村英生に応援を頼み、絶妙コンビが美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇の謎に挑む。大好評〈国名シリーズ〉第2弾! 長編ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
197
館もので雪の上の足跡もの。どちらも本格派なら一度は手がけたい分野。スウェーデン館は舞台であると同時に、実はあれでもあったという二重の意味が。被害者が買ったヴァレンタインチョコのラッピング、「田舎の手近の店で調達したにしては洒落た」って、大阪出身の有栖川さん、ひどい言い草。福島県民は甘いもの好きですからね、お菓子屋さんも洒落ていますよ。2019/11/14
ダイ@2019.11.2~一時休止
159
作家アリスその5&国名その2。国名シリーズでは珍しく長編。雪密室の本格モノで最後ちょっと切ない。2013/10/15
nobby
156
作家アリス5作目にして国名②このシリーズは短編と思っていたので、ガッツリ長編を満喫して大満足♪ログハウスを“スウェーデン館”と呼ぶことに馴染まないのは置いといて(笑)何とも正攻法で哀しくも優しいミステリ。雪の上に残る計算の合わない足跡の数と折れた煙突に消えた枕カバーなど、決して多くなくも難解なファクターを実に明快に解き明かす火村さんはスゴい!アリスの語りのみで描かれる中盤までがユルリなだけに、まさに風のように参上して仲睦まじく去っていくのが際立っている。途中で意味深に出題されるパズルの繋がりにもなるほど!2019/09/26
中原れい
155
真相は語られることすべてが痛ましいと言えるもの、そんな印象のある話だったのを再読。すると、寄ってくる女とついよろしくやってしまう男のダメさやヘイスティングスみたいだったアリスのことがとても印象に残るのでしした。そしてやっぱりルネ君や大地君が可哀そうでなりませんでした。シリーズ初めの方の長編なので、やや書きっぷりが若いですね^^2017/03/11
純
113
悪い事をしたら、素直に「ごめんなさい」が言える人間になってほしい。リュウが童話作家だから、ヴェロニカが罪を悔いていたから。だから、そう思ってしまうのかもしれない。少なくとも、この二人の親はそう思っただろう。 ま、誰もが素直に「ごめんなさい」を言えたら、探偵は必要なくなるけどね(^_^;)2016/03/08