内容説明
脳で行われる情報処理の過程が明らかになるにつれ,愛や意欲といった「情」のもつ意味が,科学の言葉で語れるようになってきた.本書は,脳を探る最新技術やモデル実験の成果に基づいて,脳の機能に関する全く新たな理解を提示する.さらに,脳に学ぶ革新的なコンピュータの構想,宗教の意味,科学技術の将来像までを多面的に考察.
目次
目 次
プロローグ 「脳を知る」とはどういうことか
1 脳とはどんなコンピュータか
2 脳型コンピュータの開発に向けて
3 脳から見た心――内部世界が作る心の特徴
4 愛は脳を活性化する
5 科学と宗教
6 新しい科学の始まりの中で
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
389
著者の専門は物理学で脳型コンピュータの開発に携わっている。脳型とは、すなわち情報処理のアルゴリズムを人間と同じように自動的に獲得するシステムのことである。また、著者によれば、そうしたものを造ることは人間の脳の働きや構造を知ることにもなるとのことである。「価値と認知の二重性」あたりは経験則からしても納得しやすいが、後半はしだいに神がかってくる。「愛は脳を活性化する」も、まあわからなくはない。ただし、愛の定義「愛とは人との関わりを求め、人の存在をそのまま受け入れるための価値の尺度」という単純化はどうだろうか。2021/02/17
佐島楓
35
一見科学的ではないように感じられる「愛」が、脳にどのような影響を及ぼすか。この本一冊だけでは知識は不十分である。やはり人間は複雑な生きものであって、簡単に言語化できない部分があまりにも大きい。2015/06/21
ゆあん
6
図書館にて。少し古いしやっぱり難しかったけど、やっぱり視点がおもしろい!生存本能のためにある好きなものは好き、嫌いなものは嫌いという価値の第一次判断系、認識系を含んだ第2二次判断系。自分の価値の中での好きなものではない困難や苦しみに自分で立ち向かうことで成長し、それには愛が必要!脳化学と愛?と思ったけどうん!愛は脳を活性化させるんだ!2015/07/29
Hiroki Nishizumi
3
人間は上手く出来ているものなのだな。2018/11/17
リンキン
3
孫さんオススメらしい2018/10/27