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内容説明
帝国主義列強に侵略され、半封建社会であった清末から民国時代の旧中国には、様々な「馬{マー}々{マー}虎{フー}々{フー}」(欺瞞を含む人間的な「いい加減さ」)が存在した。そうした「馬々虎々」は支配者によって利用され、旧社会の支配体制を支えていた。魯迅は中国民衆を苦しめてきた悪霊支配を憎み、その支配を助長する土壌を憎んだ。彼は中国社会にいまなお存在する「馬々虎々」を中国(民族)の死敵と見なし、終生それと真正面から闘いつづけた文学者である。
目次
序章 魯迅文学とはなにか
第1章 紹興―小康と没落
第2章 南京―萌芽
第3章 東京・仙台―青春
第4章 東京―飛翔
第5章 杭州・紹興・南京―風雲
第6章 北京(その一)―吶喊
第7章 北京(その二)―彷徨
第8章 厦門・広東―激変
第9章 上海―論争