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内容説明
自分の猥せつな写真が雑誌に掲載された貴子は、学校で噂の的だった。クラスメイトのうるさい視線から逃れるように屋上にのぼった貴子は、そこでムシ君に出会う。そして、母の奇行に疑いを持ち出した貴子は、ムシ君を連れ添って母の尾行を開始するが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃりんこママ
35
私が山本直樹を「蛮行作家」だと言うのは、淫行場面を女性や若輩にも読ませてしまう画力があるからだ。市井の目線で金と色欲の現実を暴き立てるから、見ない訳にもいかない。中学生の貴子が父親に自分の性遍歴を激白するシーンは圧巻。次に父親の支配下にあった母親が「自己啓発」を謳うアヤシイ組織に入ってしまうが…自己確立の未熟な人間が、いかに騙され取り込まれて行くか、解り易い。サリン事件の前の作品であることをお忘れなく。2014/09/09
dokata
2
全部忘れて前向きに生きようとしていたお姉ちゃんを肯定していたお父さんがニコニコなんちゃらを否定する。2014/05/22
ミスター
1
親父は新興宗教にのめり込む嫁が許せない。なぜ許せないかと言えば、親父は自分が過去の男になることを拒否しているからだ。そもそも親父の愚かしさの大概はそこからきていると思う。自分が過去の人、忘れられた人になることを拒否している。だから娘の名前を間違える自分には目を向けないのだ。2020/04/22
烏鳥鷏
0
始まりはどん底だがどんどん希望に向かう話なのかと思ったら、なんかまた不穏に。宗教団体の人、ひょっとしていい奴かと思ってしまった自分はへんな人に騙されやすそうだ2013/01/29
かやま
0
母の解放のシーンは見覚えがあるなあ。初めて読むはずなんだけど。2009/11/17