内容説明
「ハックルベリィ・フィンの冒険」の素地となった作品。前半はマーク・トウェイン自身の4年間の水先案内人時代の生活を描き、後半は、21年ぶりに訪れたミシシッピ川やその流域の変貌を描く。当時の状況を知る優れた風土記でもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
4
(上巻より)川や沿岸の町などの地理や歴史、こぼれ話や土地土地の伝説など。他の作品の一部として発表するつもりだった自作の短編物語などを気前よく披露してくれる。どの章もおもしろくて、時々、かなりきつい皮肉がついてくる。マーク・トウェインのミシシッピ川は、さまざま表情を持つな巨大で親し気な生き物のよう。2022/03/29
Y.Yokota
3
上巻に引き続き、ミシシッピ川再訪記。だが、途中で短編とも言える挿話がいくつかありそれが一々面白い。寝言の話は爆笑。この本を書いてる時はちょうどハックルベリー・フィンを執筆中だったようで、関連する話もいくつか見られる。トウェインのこういった著作をいくつか見ていくと、トムソーヤーとかハックもより面白く読めそうだ。2019/08/30
てり
1
面白く読めました。トウェインにとってのミシシッピ川、そして南部。彼のエッセンスが詰まった上下巻でした。2022/06/09
ELW
0
熊とネイティヴ・アメリカンの男女の辻褄のあわない話を和訳するといのはとても変な気分になるのではないかと思った。『白鯨』のように既に廃れたものへの追憶に満ちた作品 だが、南部の南北戦争を身近に感じ続ける様子は唸らされた。2023/09/11