内容説明
RPGというのは、新しいホビーです。しかし、その楽しさのエッセンスは、実は昔からおなじみのさりげないものなのです。『宝島』、『不思議の国のアリス』、『モモ』、『浦島太郎』―。名作、と呼ばれる小説や映画の中にそっと隠された、『RPG的楽しさ』…。それを、ベテランゲーマーの近藤さんが仲間との会話を通して語ります。なぜ人はRPGをプレイするのか?RPGはこれからどうなっていくのか?『それでもRPGが好き!』な人に捧げるコラム集です。
目次
1 新シリーズ堂々スタート!『宝島』をRPGすると
2 『アルジャーノンに花束を』でシナリオメイク
3 19世紀英国紳士の水上RPGセッション『不思議の国のアリス』をやってみよう
4 ベント開け!潜望鏡深度!!
5 RPGで2時間ドラマを作るぞ
6 さあて『モモ』をRPGするぜ
7 日本の昔話をRPGに生かす
8 昔話に学べ!その2―西洋編
9 トップガンへの道普通のゲームにストーリーを感じてみよう
10 『ゲド戦記』でセッションを組む
『ゲド戦記』で成長を考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
影実
1
再読。『やっぱりRPGが好き!』の続刊。『不思議の国のアリス』や『宝島』、『モモ』など古今東西の様々な名作をRPG的な視点から読み解いてみようというコラム集。どの話も面白いけど、特に『アルジャーノンに花束を』をTRPGとしてプレイしようとする話が印象的。チャーリーの状態を再現するために目隠し、耳栓を使うのはけっこう衝撃的でTRPGの自由さを感じた。2023/04/16
クイックラック
1
テーブルトークRPGを楽しむために、身近な題材を元にTRPG化できるかを真面目に遊んだでみた、というアプローチが今でも読んで面白い。「宝島」を再現するのにプレイヤーは誰を演じるのか、とか「アルジャーノンに花束を」では知能上昇手術を受けたチャーリーが目隠し耳栓を外していく様子とかが目からウロコ。そう言えばこのコラム読んで気になりすぎてアルジャーノン買って読んだんだった。昔話からシナリオメイク術を学んだり、今読んでも普通に参考になるし、会話形式で書かれてて読みやすい (^_^)2021/08/28
akiu
1
TRPG コラム。著名な作品(宝島やアリス等)を TRPG にしたら、というコンセプトが表側にある一方で、もともと口述ベースの物語は、実は TRPG の要素を多分に含んでいるんだよ、という感じの話でした。面白いアプローチだと思います。本や PC ゲームの TRPG 化を無理やり検討する章もありますが、おおむね思考実験以上の面白さは感じられず、先に述べた内容の方がより印象に残りました。2012/06/21