内容説明
小さな島に建つ古いホテルに泊まり合わせることになった九人の男女。吹き荒れる嵐が橋を奪い、通信の手段もない。館は完全に外界から閉ざされてしまった。――そして、最悪の夜が始まった。邪悪な霊が、プールを底無し沼に変え、家具を飛ばし、毒虫を操り、心と体を乗っ取ろうと襲って来るのだ。絶望の闇の中で死を待つのか、それとも――。これがホラー小説の原点だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みや
29
ボルネオ島のホテルに嵐の中で閉じ込められた9人が怪奇現象に襲われるオカルトホラー。クローズドサークル設定の王道中の王道だが、紛れもなくホラー。日本人作家が書いたものだということを度々忘れる程に米国B級ホラー映画をそのまま小説化したようだった(褒め言葉)。情景描写が上手く、現実離れした場面も映像として思い浮かべやすい。様々な国の人たちが集まっているため、宗教や神に対する捉え方が異なり、行動に差が出るのは面白かった。史実との絡め方も巧い。潔く定石を踏み続けるオカルトを勢いに任せて難しく考えることなく楽しんだ。2019/08/31
ヒロくま
24
洋館の悪霊物は私の好みのタイプ。この作品は展開の分かりやすさと読みやすさが比例していて、読後感もまるで映画鑑賞の後のようだった。ああでも虫はキモいよ苦手だわ。景山氏は昔テレビで拝見させていただいてました懐かしい。2016/08/14
ちばと~る
20
景山民夫先生のホテルホラー。じんわりホラーじゃなくて洋物ホラー系ポルターガイストもの。無責任なホテルだな〜元ホテルマンの森村誠一先生のご意見が聞きたいw悪霊は炎を操れる?ひょっとして景山先生の死因も???内容よりも参考文献一覧のが怖い!2013/08/10
yashico
17
小さな島に建つ古いホテルに偶然泊まり合わせる事になった人種もバラバラの9人の男女。唯一の橋は崩れクローズドサークルで起こる怪奇現象。日本的なホラーかと思いきや海外のB級ホラーを読んでるようだった。人死も出るが描写もあっさりめで全然怖くない(笑)海外の人達との協力戦線なのでホラーの内容もあちらよりでゴーストスイーパー的。2019/08/30
ペトロトキシン
10
この何処かで観たり聞いたりしたことがあるような話の展開には安心感すら覚えてしまう。これでB級ホラー映画を作成するとしたら、何もいじることなく完璧なB級ホラー映画が完成する事でしょう。途中妙に宗教や哲学臭さが漂ってくると思ったら、参考文献をみて納得です。2013/09/25