内容説明
フランス革命はどのように恐怖政治に転じ、その中でダントンは、ロベスピエールはいかなる運命をたどったのか。ロスチャイルド家が巨万の富を手にするまでの戦術と、それを可能にした「血の結束」とは。そして明治維新の激流の中で悲痛な死を遂げた河合継之助の行動の謎……。その劇的な個性ゆえに、世界史上に際立つ人物と事件を題材に、人間情念の光と闇、歴史と運命の相克を絶妙に刻みあげた一級の歴史読物。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
9
人物中心の通俗歴史絵巻で、講談調、詠歎調の部分など辟易させられるが、軽い読み物として、大変面白かった。まったく任意というか、個人的な興味のままに選ばれた十二の出来事、というか人物(家族含む)、アラビアのロレンス、ジョン・ブラウン、ダントン、トマス・ペイン等々。歴史の荒波に翻弄される…などとつい著者の口調に染まってしまう、英雄の栄光と挫折みたいな。ロレンスは高校生の頃、漫画・映画でいかれていて、「アラビアのロレンス展」なんかに行ったりした思い出が。出典、参考文献一切なし。2016/11/06
あかつや
3
英米文学の翻訳家として有名な著者が描く、世界史の個性的な12の出来事とおまけの1編。この人の翻訳の仕事は我が家の本棚にも並んでるけど、これも文章読むとああ中野好夫だなあって感じがする。どのエピソードもクセのある人物や事件がたくさんあってものすごく面白かった。特に好きな話は南極探検のロバート・スコットの話かな。初の南極点到達を目指して、地獄のような道のりを乗り越えてやってきたのに、先を越されてたっていうのは悲しいなあ。そらテンションだだ下がりだろうよ。他には恋多きロシアの女帝エカテリーナ二世の話も好きだな。2021/08/24
AICHAN
2
やっと読み終えた。疲れた…。すらすらと読めたのは河井継之助のやつだけで、あとは何が書いてあるのかよくわからなくてなかなか読み進めなかった。内容が外国のことで、それも私の知識にないことばかりだったせいもあると思うが、それだけが読むのに時間がかかった理由ではない。外国人の作品もたくさん読んでいるがこんな目にあったことはないからだ。たぶん、この人の文章には「読みにくい」何らかの要素があるのだろう。読者を惑わせる構成や妙な文章修辞などが理由だと思う。2011/11/12
vladimir-kyoto
0
あまり見たことのない漢語が多いのが気にはなるが、それなりに面白く読めました。個人的に印象深いのが、スコットの南極探検。昔、途中でなくなったのに誰かが見たような話になっているのはなぜなんだろうと不思議に思っていました。2015/03/26
Chunko
0
おもしろいのもあったけれど読みづらいのもあって…1994/04/21