内容説明
「ワシは大関なんかなりたくない」昇進がきまった日に、天才力士とうたわれた関脇御前山は、当惑し憤慨する相撲関係者や驚く記者を尻目に突然姿を消してしまった。いったい彼に何が起こったのか(「一瞬の栄光」)。他に力士や親方たちの人生を活写する「走れ幕下」「摺り足の秘密」「タニマチ」。行司や呼出したちに材を取った「差し違い」、「蛇の目の柝」など、大相撲を舞台にして様々な人間模様をいきいきと描き出した相撲小説の醍醐味八篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はらぺこ
31
相撲に係わる人達が出てくる短篇集。 相撲に全く興味が無いので「取的(とりてき)」みたいに知らん言葉もあったが読み易かった。 2014/09/18
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2
相撲を題材にした短編集ということで期待して読んだ。フィクションで怨恨の絡んだ推理ドラマが主に描かれていた。相撲界のどろどろした部分が全面に出ていて厭な感じだった。娯楽小説的な文体なので気軽に読む分には面白いと思う。2015/02/26
かっちん♪
2
力士だけでなく、行司や呼び出しなどが主人公の短編集もあり、さまざまな視点で楽しむことができた。 今年になって大相撲界を激震させた「八百長」を行なっているシーンもいくつか登場していたが、この当時も盛んに行なわれたいたのかと思うと切なくなりました。2011/12/15
さっと
1
力士のほかに、行司や呼出しなどを主人公にした相撲小説集。全体的にミステリ要素が強いような・・。相撲界のしがらみや人間関係のもつれから生まれる悲喜劇を巧みに描いています。2009/03/21
靴下
0
個人的に「蛇の目のき」、「走れ幕下」が面白かったです。相撲ファンですが、なるおさんの本を通じて知った出来事や単語も多いです。かなり楽しめました。2014/03/20