文春文庫<br> 愉楽の園

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文春文庫
愉楽の園

  • 著者名:宮本輝
  • 価格 ¥691(本体¥629)
  • 文藝春秋(2013/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167348069
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「きょう、女占い師が言ったわ。私に恋をしてる人がいるって……私もその人に恋をしてるそうよ。どちらも強い真剣な恋だって」水の都バンコクの運河のほとりで恋におちた男と女。めくるめく陶酔の果てに、ふたりはどこへ連れ去られていくのか。恋愛小説に新しい局面をひらいた、宮本文学の代表作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chikara

54
久々の再読。当時はどんな感想だったのだろうか。世界中を旅して見たものは「生と死」という野口。彼の感じる世界観には惹きつけられる瞬間がある。宮本輝氏の真の処女作品である「弾道」を甦らせたのが、本作品との事。弾道を書いたのがなんと27歳。スケールの大きさを改めて感じます。2016/10/25

ゆか

49
宮本輝作品は初だったけど、読みやすかった。主人公は日本人の男女2人。舞台はタイのバンコク。文章からジメッとした熱気が伝わってくる。タイ人官僚の恋人だけど、愛人的に扱われている女性と、世界各国を放浪して回る男性。どちらも頭が良く、小狡く立ち回る。哲学的な側面もある本作。基本は恋愛小説だけど、サスペンス要素もあり。ホモや貧困問題も取り入れてて、哲学的な匂いのするお話だった。のめり込み度は低いけど、何年経っても覚えている…そんな印象に残る物語。気軽に読める種類ではないので、好き嫌いは分かれるかな…。2015/12/19

美雀(みすず)

40
タイ版「花の降る午後」って感じ。美しいヒロイン、ゴタゴタ。水上生活の描写は想像出来たけど、運河の様子は映像で見た方がいいなぁ。でも、映像化はやはり不可かも。最後の最後に二転三転。ハラハラドキドキ。2013/11/10

とも

38
宮本輝さんだから最後まで読み切れたかな。と言うのが素直な感想。バンコクを舞台に政治的な、主義的な、哲学的な、恋愛的な、色んな〜的な要素が入り組んだ決して読みやすい、物語に入り込みやすい一冊とは言えなかった。でもそこは流石宮本輝さん。最後まで読み切らせるだけの筆力には、改めて脱帽。2015/12/13

26
夏が恋しくなる。タイの蒸し暑い雑踏に見え隠れする気怠い官能が甘たるくて美味しそう、気持ち良さそう、汗ばむ季節が待ち遠しい。2019/05/22

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