内容説明
自分で自分がわからない、つかまえどころのない自分の心。知りたくてたまらない他人の心。動物の心と人間の心はどうちがう? 身近で遠い、なぞにみちた心の中をわかりやすく案内し、無意識の世界へ誘う。若い人のための心の名著。
目次
1 こころの底は深い
2 おばけがこわいのは…
3 二つのこわさ
4 三十六計、逃げるにしかず
5 痛いと、手をひっこめる
6 あいつはくさいぞ
7 人間と動物のこころ
8 人間が忘れてきたこと
9 無意識の世界
10 自我の構造
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
三平
12
作家で精神科医でもある著者が子ども向けに心理学について書いたもの。 難しい言葉は出てこない平易な文章ながら結構深い。 内なる自分のこころを見つめることにより、世の中の見えていなかった部分が見えていき、視野が広がり、世界の景色が変わっていく。 絶対だと思われている物差しのおかしさの矛盾を突いていて面白い。 惑い続ける大人にも何らかの道しるべとなりうる本。2017/08/03
rigmarole
5
印象度B。著者は自身の解説で本書を「不完全」で「かたよった」ものなので入門書ではないと書いていますが、概論書ではないとしても、心理学のいい入門になります。啓蒙書と呼ぶのがふさわしいかも。子供向けに書かれており、非常に平易な語り口です。ただ私にとっては、感覚・感情・気分にかかる関係整理のところ以外はあまり知的好奇心を刺激されず、物足りないという印象は否めません。また後半部の、性についての意識や親子の関係についての説明については、本書が書かれてから40余年が経過して、時代の変化を感じずにはいられませんでした。2015/06/21
akiu
3
こころについて考えるエッセイ。若人に語りかけるような文体で、心の中・無意識へと案内していく。じっくりと考えを巡らすことで、心が落ち着いていく感覚がある。14歳くらいの、多感で不安定だった頃の自分が読んだら思いっきり刺さったかもしれないし、斜に構えてまともに読もうとしなかったかもしれない。科学的(という言葉も微妙だが)とは言えないものについて、自分なりにじっくりと向き合って考える。結論が出るものでもないし、目に見える成果としては出ないけど、こういう経験は後になればなるほど大事なことになってくると思う。2019/04/04
ceskepivo
3
勇気も怖さの一種。社会の罰を受ける怖さが、勇気ある行動に人間を駆り立てることがある。無駄に命を捨てないために生きることは社会的にも意味がある。2018/12/26
くにお
2
『権威と権力』『民族という名の宗教』(どちらも岩波新書)の語り口がクセになり、著者の専門分野の本も読みたくなり手に取った(三冊ともブックオフ100円本)。説明するというより考えるための道筋を丁寧に舗装してくれるような語り。それを分かりにくいと捉える人もいるみたい。対象のある「こわさ」と対象のない「不安」の関係性が私にとって一番の学び(三章)。罰によって「こわさ」とその対象に距離ができ、いつしか罰の「こわさ」も忘れ去られ、対象のない「不安」が心をひたしていく、という。時間をかけてじっくり理解したい内容。2026/03/05
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