内容説明
三代将軍家光の時代、亡き名軍師真田幸村の兄信幸の治める信州松代に、五位鷺志津馬と名乗る若き美剣士が現れた。志津馬は、信幸はじめ各地の豊臣家ゆかりの大名たちに、現将軍打倒、将軍の弟忠長の擁立という大胆不敵な企てをもちかける。各地の大阪方残党の暗躍、そして伊賀忍者と飛騨忍者の宿命の対決! 志津馬をめぐる情欲の火花散る中、計画の行方は?
感想・レビュー
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さっと
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『駿河城御前試合』の後日談の一編に出ていた得体の知れない闖入者・車大膳が出てくるということで読みました。主人公は名将真田幸村の遺児で若き美剣士の五位鷺志津馬。さわやかな風貌ながら胸に秘した野望は打倒徳川家で、飛騨忍者の相棒や大坂方の残党とともに、現政権の不満分子を探して諸国を旅している。なんといっても、その先々で出会う多彩な顔ぶれが良いね。薄気味わるい浪人・車大膳はじめ、敵味方関係なく、次から次へと交わり合う展開から目が離せません。剣技、忍法、女。これぞ、時代小説ですわ。2013/01/18