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内容説明
近代医薬品の開発には、長い年月と莫大な経費、そして数知れぬ研究者たちの労苦の積み重ねが必要とされる。その結実は、人類をさまざまな病苦から解放すると同時に、“新しい”薬への過信の入り混じった、いわば薬の氾濫の時代を生み出してしまった。本書は、ペニシリン、モルヒネ、ビタミンB、インスリン、タカジアスターゼなどの身近な薬品開発のドラマと、効能や副作用のメカニズムを多彩なエピソードを混じえて語り警告する。
目次
「薬の神話」について―まえがきにかえる薬へのコメント
『吾輩は猫である』が書かれた理由 抗潰よう薬
秘方一粒金丹 モルヒネ
「B足らん」の時代 ビタミンB1
薄明のなかの北原白秋 インスリン
いざ生きめやも 抗結核薬
みだれ髪の歌人 血圧降下薬
眠りへの逃避 麻酔薬・催眠薬
愛の妙薬 催淫薬
フレミングの神話 ペニシリン
5分間の戦い 狭心症治療薬
“薬なんか効くはずがないよ” 精神病治療薬
メキシコヤムイモの魔法 抗炎症ステロイドとピル
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろのやま
3
現代ではもっと先進しているなと思って読む。化学も生物も私はよく分からないが、12の薬の開発とその効果が文豪や発見者のエピソードで面白く読めた。フレミング(ペニシリン)の話は特に面白かったし、中で高峰譲吉の話がたびたび登場するが刀とチョンマゲの日本人が高々半世紀でホルモンを結晶化させたエピソードはやっぱりすごいなと。また、20世紀の精神病治療薬開発はデカルト以来の心身二元論からのコペルニクス的転回のようで実に小説のようだった。タイトル通り「薬の『話』」として文系でも難解ながら非常に楽しめた。2013/04/16
す○○
2
薬についての知識を深めたいと思い読んでみたが、今回もカタカナの壁は厚く自分には手強い内容。テーマごとに文学を絡めた内容になっており、文学にも精通した作者の知識はすごいなあと感じた一冊。2021/11/19
NORI
1
「毒の話」に次ぐ、同著者2作目。古典的な医薬品開発の歴史を大正昭和の文学作品を絡めた視点が新鮮だった。 薬学部を目指していた高校3年生の頃だったか、薬学部1年生の頃だったかに戯れで読んだ思い出の本。
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