内容説明
何度か関係をもったことのある女性部下の披露宴でスピーチする男、十数年前に一夜の恋におちた男の正体を知らされた女、見るだけで妊娠を言い当てる特技を持つ男が妻に抱く不安。 男と女の場面は、一見甘くソフトでも裏には複雑な心理のズレが……。十二カ月の四季の中で語られる愛と恐怖の世界を描く異色の小説集。誰の背後にも「愛の墓標」は横たわっている。
目次
微笑
エックス氏
醜い顔
匂う男
薄闇
噛む女
裏通り温泉
揺れる眼
親ゆずり
心がわり
夜の声
視線
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
16
解説で松田忍さんは「阿刀田高氏の作品が光文社文庫に入るのは『愛の墓標』が四冊目になる」と書いているが、巻末の文庫分類目録だと三冊しか載っていないのは何故なんだ?2025/03/07
takaC
10
微笑/エックス氏/醜い顔/匂う男/薄闇/噛む女/裏通り温泉/揺れる眼/親ゆずり/心がわり/夜の声/視線 (1991年11月読了)1991/11/02
MIKETOM
4
男女の恋愛に関しての短編集だけど、恋愛小説ではないな。幸せな結末のものはほとんどない。何となく物悲しい話が多い。例えば『夜の声』作詞家になりたい女。夢を叶えるためなら業界の実力者に体を与えることもやる。しかしそんな自分が惨めになって、昔打算なしに親切にしてくれた男に抱いて欲しいと願う。清めてほしいと。男は戸惑いながらも願いを聞き入れる。女は知っている、自分に作詞家の才能はないことを。それでも体を使うことを止めない。数年後に再び男に連絡をするが、男の返事は「もうすぐ結婚するから」。なんともいえず物悲しい。2018/11/11
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
2
☆×4.5…どこか色香の漂う、男と女の連作集。だけれども著者らしいな、と感じさせるのは時にとてつもなく背筋の寒い作品が混じっていたり、よく考え直してみるとウヒョーな作品が混じっていたり。「裏通り温泉」がそのウヒョーな作品の最たるものでしょう。素敵なひと時ですね、なーんて思って最後を読んでいきますと…基本的には幸せな終わり方のものはないといっていいでしょう。いやしまれる関係のものや残念な関係が多いですからね。それは人間だからあることともいえましょうが。2012/12/21
若作りのオバちゃん
1
処分すると言う知人より貰う。30年前の書で検索すると古本でも結構な値に驚き。ドロドロの底沼な愛憎物語でしたが、綺麗にまとめられているので読後の不快感なし。ただ、刺激を求めオープンな現代人の感覚には物足りないな。2014/06/22
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