内容説明
出張の帰途、男はふと思い立ってローカル線に乗った。明日は休みなので、のんびり帰ればよかったのだ。しばらくして男は手帳を忘れたことに気づき、うろたえた。あわてて列車を降りたとたん、手帳を拾った若い女が近づいて来た。それが恐怖の始まりだった…。いつも通りの平穏な一日が、些細なきっかけからおぞましい恐怖の一日に変わるサスペンス傑作集! 誰にも覚えがある、非日常への恐れと憧れ。ふとしたことで異空間に入り込む瞬間を、達意の文章で描いた9編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yu。
18
日常で起こるちょっとした出来事をきっかけに彼らを不可思議ゾーンへと誘う9つの奇妙な物語。お気に入りは、忘れ物を取りに戻った主人公の前に現れる謎の女子との痛い絡みが思わぬ方向へ…「出張の帰途」。定年間際の主人公が初挑戦した髪染め行為が彼の心を…「秋のめざめ」。闇色のリアル未来を暗示してるようで末恐ろしくなる「返上者章」。粉骨砕身してみたところで、という日本社会独特の暗黙の風習から覗けるやるせなさがこそがホントにこわい現代怪談「うつつの崖」。2016/07/05
あにき
1
電子版。2016/05/28
けん
0
他の眉村卓の作品は「ブックオフ」行きにしたものが多かったが、この短編集は悪くなかったので、自己保管に決定。サラッと読めて読後感も良かった。←5年振りに再読。「二次会のあと」に続き読んでみたが、こちらも今となっては「陳腐なストーリー」としか感じられず、まるで面白く思えず。よって、「ブックオフ行き物件」に決定!2020/07/11
fujii
0
普段とはちょっとだけ違う奇妙な世界に足を踏み入れてしまう。 不思議な体験をする、そんな短編がいくつか。 長編を読む合間の息抜きで読んでいました。 息抜きにはちょうどいい。 世にも奇妙な物語の世界観が好きならおすすめ。2013/08/11