ちくま文庫<br> オリヴァー・トゥイスト(上)

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ちくま文庫
オリヴァー・トゥイスト(上)

  • ISBN:9784480024992

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内容説明

18XX年初頭、イギリスのとある町の救貧院で1人の男の子が生まれ落ちた。母親は子供を産むとすぐに、ぼろ布団の中で息を引き取った。過酷な環境の中で育った孤児オリヴァーはその後、葬儀屋サワベリーなどのもとを転々とするも、残酷な仕打ちに見まわれ続ける。ついにロンドンに逃れたオリヴァーを待ち受けていたのは凶暴な盗賊団一味だった……。若きディケンズが19世紀イギリス社会の暗部を暴露し、痛烈に風刺した傑作長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

379
物語世界の外側の高みから作者が語るという、いかにも古い語りの手法なのだが、全体のスタイルはそうではあるものの、物語内においては徹底したリアリズムが貫かれている。すなわち、私たち読者はここに19世紀イギリス社会を間近に見ることになる。この頃、既にイギリスは福祉社会の体裁を整えているようなのだが、ただしその運用の実態は、まさにこの小説が伝えるような状態だったのだろう。貧者が蠢くロンドンの裏街を舞台に、社会のルールからはみ出した者たちが夜な夜な跳梁跋扈する、その中に投げ込まれたオリバーは悲惨な現実を生きて⇒2022/12/09

NAO

24
大好きなディケンズ。何度目かの再読。救貧院前で行き倒れた未婚の女性が産み落としたオリヴァーは、私生児で救貧院生まれの孤児院育ちという最低の子として、教区吏員、陪審員、葬儀屋の下働き仲間、出会う人出会う人に、これでもかといじめ抜かれる。意を決してロンドンに向かっても、一難去ってまた一難。過酷な状況にもひねくれることのないオリヴァーの心の清らかさに、つい感情移入して読みふけってしまう。下級階層の人々の猥雑なおどけっぷりも、ディケンズならでは。2015/08/05

ゆーかり

18
改めてオリヴァー・トゥイストを。ディケンズなので小池滋さんの翻訳で!救貧院育ちの孤児オリヴァー。悲惨な目に遭い続けても、心はずっと天使のよう。ちょっと意外だったのは、すぐにフェイギンの所で暮らすようになったのではなかったのと、ドジャーの登場が多くなかった事。ブラウンローの友人グリムウィッグ氏はいかにもディケンズのキャラクターらしくて面白い。小学校の頃の歌の本に載っていた「オリバーのマーチ」「ウンパッパ(←おかしな曲名)」は映画『オリバー!』の曲。撃たれたオリバー、泥棒に入った家へ逆戻り。下巻に続く。2015/09/13

Francis

13
英国の文豪、チャールズ・ディケンズの傑作小説。救貧院で暮らしていた孤児、オリヴァー少年の波乱万丈の生涯を描く。それにしてもよくまあオリヴァーのところにここまで都合よく不幸が訪れてくれるものだ。この頃のディケンズはこのような小説が好みだからしょうがないけど。下巻に期待。2018/09/12

はる

13
図書館本。先日読んだ本に、アンデルセン氏にとても慕われる?ディケンズ氏が登場したので。そういえば子どもの頃にも読んだことが無かった。たいていの世界の名作全集などには入っていたはずなのに。イギリス編は「宝島」「ふしぎの国のアリス」「ピーター・パン」とたどっていた。題名から内容が??で手にとりにくかったのだろう。ああ、これは講談に近いものか、どきどきはらはらして、あわれオリヴァーの運命やいかに!これにて上巻の読みきり!待て下巻!2014/07/07

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