内容説明
バクチ打ちの血が騒ぐ。レートは一晩数億円、勝負のアヤで命も賭ける。不動産屋やソープランド経営者たち今風成り金の集まる街に吸い寄せられた雀プロ、警官、ヤクザの群れ。ギャンブル・サバイバルの種目もどんどん広がって、いったい生き残るのは誰か!? トボケた雀鬼の奇策、秘技が満載の長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
12
1990年第一刷。縦積み本崩落現場で見かけて再読。阿佐田哲也の博奕小説の良さはイヤな奴が出てこないことだ。外道とは常なる世界から見た評語であって、博奕の現場では人間が纏うあらゆる記号が剥奪され絶対的な自由平等が実現している。当局からすればいちばん気に喰わない連中ということになる、とは、かの網野善彦氏も指摘する。つまり無縁。死ねば路傍に捨てられるが、それがどうした。ホトケさんにとっては焼かれようが捨てられようが関係ない。究極の無意味に命をかけて野垂れ死ぬならそれでオーライと考える人間もいるということだ。2022/06/08
de thomaso
1
短編小説集のような長編。「都にカモが降るごとく」が異質な作品で、ギャンブルらしいギャンブルをしないギャンブル小説になっている。ラストシーンがとてもいい。2022/10/09
RuiRui
1
おしまいツネ公、がいい。麻雀放浪記の最終局面の青天井みたいだ。阿佐田哲也の小説はアダ名がおもろいが、麻雀業者、そのまんまやん(笑)2013/07/01