内容説明
タイガースのジュリーや竹の子族、大正時代の竹久夢二、制服姿の海軍兵学校生や弾圧下のキリシタン等々。 時代の「アイドル」に寄せる、「ミーハー心」は、いつの世も変わらない。 一途に思いつめて、入れ上げて、禁じられれば一層、燃え上ってしまう。憧れと嫉妬、そしてやがておとずれる喪失感を、日本のアイドルの系譜とともに、やさしい共感をもって描いていく。究極のミーハーを自認する著者ならではの、オリジナリティゆたかな愛すべき小説集。
目次
ジュリーの薔薇
私のネイビー
芳蔵染め
明治の琵琶
紅梅の君
うたかたの男
遠い国へ
フローレス・夢二
踊る王子さま
流行りもんのクロス
ギブ・ミー・チョコレート
舞踏会
神宮の森
ためらいのキリシタン
ふつうの女
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
marumo
22
再読。新作にがっかりのあまり昔のやつを引っ張り出してきました。古今のミーハーな女の子たちの物語。ほんの数ページのお話しに、女の子の美しいものへの憧れと苦く寒々しい現実がぎゅぎゅっと詰まっていて「お見事」の一語に尽きます。なんの主張も持たない無学で貧しい少女が、隠れキリシタンのミサに出て天草四郎の美しさにポーっとするのも束の間、わけもわからず捕らえられてしまう「ためらいキリシタン」は秀逸。ジュリー、ネイビーさん、帝大生、竹の子族、夢二、村の勇者、そして帝・・ 夢中になる相手には事欠きません。2017/10/15
みにうさぎ
1
ジュリーと竹の子族とアイドル追っかけの話だけ読んだ2017/08/15
ジジ
0
古き良き(?)ミーハーたちの物語。さらっと読みます。2013/02/20
ss
0
竹久夢二と竹の子族の話は興味深く色々ネット記事漁る。 短編集だけど、それぞれについて調べて書くのはさぞ大変そうだ。今や気になればWikipediaでさらっと概要を読むことが出来る。便利な世の中。 2021/07/062021/07/06
サーリー
0
★★★☆☆ 自分がミーハーじゃなく、流行りにも乗れないので、流行に乗る人のお話が読みたくて手に取りました。短編集で時代時代のミーハーの心情が良く読み取れると思いますが、時代が古すぎてウキウキはしませんでしたが、読みやすかったです2018/08/15