内容説明
朝廷からの離叛、九州への敗走、湊川の戦い、南朝の抵抗、新田義貞の死、高師直と足利直義の対立、実子直冬との愛憎、師直の死、薩た峠の戦い、直義の毒殺、愛娘鶴王との死別。大激動の室町幕府創設期、過酷な運命に翻弄されながらも必死に生きた尊氏の姿が現代人の心に蘇る。
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感想・レビュー
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Masaki Maruyama
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上州太田在の者としては新田義貞の描かれ方に不満が残るし、リアリストのはずの楠木正成がなぜ南朝についたのかなど、説明不足な面が少なからずある。それでも著者が慧眼だったと思うのは、３０年前に北畠親房を愚人扱いし、「神皇正統記」が教科書に必ず載っているのはおかしいと主張している点。尊氏を持ち上げるための対比というより、むしろ親房の正体を暴くのが本書の目的だったのかもしれないとさええ思う。2019/05/21
