内容説明
道ってやつは踏みはずすためにある。踏みはずしたところに、また道がある――川本高志、25歳。横浜の高級クラブ「オリエンタル」のボーイ。気位、男の誇りをバネに、自分しか歩みようのない道を身体ごとぶつけて切り拓いていく。アウトロウの原点を濃密な文体で描く迫真のクライム・ノベル。日本推理作家協会賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山田太郎
51
久しく読んでなかったけど、久しぶりに読むとやっぱりすごいと思います。だてにソープ行けと言ってるわけではないというのがよくわかる(わかるわけないか)純文学くずれのハードボイルド作家というのはかっこいいと思いました。2014/09/18
GAKU
43
川本高志、25歳。横浜の高級クラブのボーイから、道を踏み外していく。存在自体が徹底して一匹狼のアウトロー。自分の為だけに、自ら危険な道を進んで行く。内に秘めた暴力衝動の要因となる過去とは?いつも左手で触れている金のブレスレットに刻印されたネームは誰?そして高樹刑事の登場でクライマックスまで一気に!いつも以上に渇いた北方氏の文体でグイグイと惹き込まれてしまった。結局最後で高志は救われたのだろうか?救われなかったのだろうか?彼がこの様な道を歩まざるを得なかった人生は虚しい。2016/04/03
背番号10@せばてん。
29
【1985_日本推理作家協会賞】1989年12月8日読了。97年公開の映画の主なキャストは、袴田吉彦(当時24歳)、黒谷友香(当時22歳)。あらすじはもちろん、忘却の彼方。(2020年1月18日入力)1989/12/08
キムチ27
27
題名通り、ほんとにカラカラ。渇き切っている・・身も心も会話も風景すらも。筆者が彼に付けた名前は高い志。とはいうものの、しょせん、アウトロー。脳漿が飛び散り、何度も吐いて胃が空っぽに・・こういったシーン、久しぶりに読んだ。時代劇にすっくり置き換えても行けそうなやり取りとバイオレンス。ふと隆慶一郎の世界がオーバーラップ。嫌いではないけれど、こう云った奴、1年に2冊が限度かなぁ~2014/05/06
サン
7
横浜のクラブのボーイがちょっとしたことがきっかけで道を踏み外すというか、深みにズブズブはまっていく印象を受けました。北方さんらしい文章でぐいぐい、読むことができます。主人公川本は人を蹴っているときに靴の心配したり、服を気にしていて、あまり好きにはなれなかった。店で一番高い腕時計より、気に入ったこれっていうものを持つ方がいいと思う。そういったところで、高樹刑事は少しの出番でしたが、カッコよかった。2016/04/16