出版社内容情報
人間には危機に対応する心のしくみが備わっている。しかし、そのしくみには一癖あるらしい。感情と合理性の衝突、リスク評価の基準など、最新の研究成果を紹介。
内容説明
人間には危機に対応する心のしくみが備わっている。しかし、そのしくみにはどうやら一癖あるらしい。感情と合理性の衝突、リスク評価の基準など、さまざまな事例を元に最新の研究成果を紹介。
目次
第1章 リスクと心理学
第2章 判断を決める「二つのシステム」
第3章 「恐ろしさ」と「未知」
第4章 直感のしくみ―ヒューリスティクス
第5章 人それぞれの不安
第6章 リスクに向き合う社会
著者等紹介
中谷内一也[ナカヤチカズヤ]
1962年生まれ。同志社大学卒業。同大学院の心理学専攻を単位取得退学。現在、同志社大学心理学部教授。人が自然災害や科学技術のリスクとどう向き合うのかというリスク認知研究、および、リスク管理組織に対する信頼の研究を進めている。2013年Risk Analysis誌の最優秀論文賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あんどうれおん
3
リスクと呼ばれる概念にまつわる色々な事象が平易な表現で言語化された一冊。"Primer(入門書)新書"の名にふさわしい、表題の分野で最初の一歩を踏み出すときの手助けに適した本だと感じました。他方、あまり笑えない冗談の点在など、校正の機能不全をうかがわせる本でもあります。記述の体裁そのものに一定のリスクがひそむ稀有な資料と言えましょう。2021/09/12
oooともろー
3
リスク認識の過程に潜む落とし穴。理性と感情。分かってはいても改善は難しい。でも認識の癖を知ることが大切。2021/07/21
takucyan1103
2
【OS図書館 ★★★★】▽リスク=不確実性×深刻度▽理性は感情の奴隷▽特定可能な犠牲者効果▽受容されるリスクの大きさはベネフィットの三乗に比例する▽自発的ハザードは高リスクでも受け入れる▽認知の二因子モデル:恐ろしさ因子と未知性因子▽ヒューリスティック(簡便な判断方法):利用可能性、アンカリング、“天然の方が良い”、感情▽女性はリスクを高く受けとめる▽加齢のパラドックス:リスクを高く評価する⇔主観的幸福感は高まる2021/09/19
史
2
なんとなく、世の中は科学やデータよりも感情を優先させているなあと思っていた中で、やっぱりそういうもんなんだなあと改めて再確認。場当たり的な感情に支配されてより手段を取らない話を聞くと萎える気持ちになる反面、しかしながら感情を全て否定するのもまたリスクである。なんともこう、やはり情報化社会は直感と冷静さを持っていなければ難しい世界ということでしょう。2021/09/14
yokkoishotaro
1
この本での一番の気づきが、2つのシステムとリスクが結びついたことだった。非常によかった。2022/01/07