光文社文庫 成田・青梅殺人ライン - 長編推理小説

著者名：深谷忠記

光文社（2014/01発売）

• ISBN：9784334708252
• NDC分類：913.6

内容説明

奥多摩・青梅の神社で、高校生の死体が発見された。被害者は医学部進学をめざす秀才。しかも、系列大医学部への推薦枠をめぐる不正を探っていた。続いて、ライバルの女生徒を教えていた東大生家庭教師も殺される。背後には巨大な黒幕が……。そして舞台は成田へ。　斬新なアイデアと、卓抜なトリックを駆使した気鋭の本格推理！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヨーコ・オクダ]

殺されたのは学力レベルの高い男子高校生。交際していた彼女は、東大生の家庭教師を雇ってから成績急上昇。以後、2人は疎遠に…なーんて、学園モノのニオイをさせながら、テストの不正疑惑、なりすまし、グレーゾーンの関係者たちの死亡等々の事件を経て、力のある大人の関与が浮き彫りになってくる。世間知らずのお嬢様夫人の恋心が突っ走る一方、それを利用する冷酷な男の正体は…あっさり分かるんやけど、強固なアリバイが。機械的な凝ったトリックも披露されているものの、それよりも様々な人間の欲求に基づいたストーリー部分の方が興味深い。

2021/04/24