ちくま文庫<br> ドン・キホーテ 〈前編2〉

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ちくま文庫
ドン・キホーテ 〈前編2〉

  • ISBN:9784480021427

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内容説明

遍歴の旅をつづける騎士ドン・キホーテと従士サンチョ・パンサ。彼らをつれ戻すべく計られた村の住職と床屋による愉快な詭計。謎の高貴な人物カルデーニオと男装の美女ドロテーア、色男ドン・フェルナンドと絶世の美女ルシンダの明らかにされるロマンスをはじめ、親子愛、兄弟愛等々、旅籠を舞台にくりひろげられる悲喜劇。それらの中で発揮される孤高の騎士ドン・キホーテの騎士道精神が笑いをさそう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おにく

19
ドン・キホーテを連れ戻し治療するため、サンチョと同郷の住職、床屋が彼の元に出向きますが、旅先で出会った村娘を助けるため、ドン・キホーテの騎士道狂を利用。娘を“ミコミコン王国のミコミコーナ姫”として巨人討伐?へ再出発することになります(笑)。男女の悲喜劇やら異国の男女の身の上が丸く収まる中、相変わらずドン・キホーテの暴走は留まる所を知らず旅籠で大騒ぎ。騎士道を扱った小説を賛美しつつ、その荒唐無稽さを揶揄したこの小説は、騎士道というジャンルにとどめを差したと言われるほどの大作。面白いですが読むのは大変でした。2015/04/27

メルコ

10
遍歴の旅を続けるドン・キホーテと従士サンチョ・パンサ。そこに様々な人物が加わり、話はどんどん広がっていく。ドン・キホーテはほとんどの人に頭がおかしくなったと思われ、歯牙にもかけられない。村から来た住職と床屋は彼らを連れ戻そうとするが横やりが入る。他にも絶世の美女をめぐるロマンスなどがあり、盛りだくさんの内容。前編は手元にあった会田由訳によるちくま文庫版にて読み通す。後編はしばらく間を開けてから読もうと思う。 2022/03/15

🍭

3
ドン・キホーテも大概な自由人だけど。この小説の形式もかなり自由で新しいと思った。作中で短編小説にあたる長さの小説を登場人物たちに語らせるとか。これはぼくが読んだ長編の中にいくつかあったけど、騎士道物語のパロディ、それに対する風刺、交錯する運命。のような複数の要素を扱って、しっかり話をまとめているのは、やっぱり、セルバンデスがすごく力を持っていたということの証明だと思う。前編1よりは面白かった。2016/09/04

しんかい32

3
前篇の後半では何組もの不遇なカップルが登場し、彼らが障害を越えて結ばれる話がくりかえされ、ドンキホーテの影はやや薄い。ここは正直たるかった。この部分を褒めている感想をみたことがないから、だれが読んでもそうなんじゃないかな。ただし途中で挿入される「無分別な物好きの小説」は本編と無関係ながら面白い。これたぶん、夏目漱石『行人』の元ネタだよな。2010/06/30

しじみ

1
騎士道物語のもてはやされた時代に読めば面白かったに違いない。しかし現代に生きる私には、騎士道物語を揶揄した小説だと頭で理解するにとどまってしまった。だが、興味深い説話がいくつかあったことは事実。大きな盛り上がりを求めるのではなく、登場人物一人一人の言葉を噛みしめることができれば楽しめる作品だと思う。2015/01/01

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