内容説明
インド伝説の英雄ラーマの古典歌物語、下巻。アジア全域に広がったこの物語は、「西遊記」など各国の芸術・文化に影響を与え、貴重な遺産となった。ついに猿の大軍が、捕らわれたシータ妃を救うため、悪魔の都に総攻撃を開始する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
15
上巻は古代インド人と現代人の発想のズレも含めて面白く読んだのだが、下巻は読むのが苦痛なほどつまらなかった。主人公とヒロインが何もしなくても皆から慕われるのが意味不明だし、戦いのシーンも必殺〇〇の矢!みたいな謎のアイテムが出てくるだけでなんの感興もわかないし、緊急事態なのに年単位で時が過ぎたり時間軸も変だった。人気コミックの2番煎じみたいな内容だった。一つだけ。物語の真の主役とも言えるハニュマーンという猿は、すばしこくておっちょこちょいで読んでいて楽しかった。この猿は「西遊記」の孫悟空のモデルとも言われる。2022/07/21
梟をめぐる読書
15
魔王ラーバナの手に堕ちた悲劇のヒロイン・シータの身柄と世界の和平を巡ってラーマ連合軍との間に大激戦が繰り広げられる。相変わらずの熱い王道展開。「目には見えぬ死の矢」を詠唱して放ちまくるインドラジットさんのチートさとか、戦場からエベレストの峰までパシらされるハニュマーンの不憫さとか。いかにも神話らしいスケール感に、最後まで楽しめた。魔王の手に堕ちていた間の「潔白の証明」だとかでシータが火の輪くぐりをさせられるラストには驚かされたが、この辺りの女性に求められる倫理観は現在でもそれほど変わっていないのでは。2014/07/08
たみ
14
「ラクシマナよ、鳥はつめたい雨のしずくにぬれているが、こえたかく歌をうたっているではないか。とおいかなたの雷のつぶやきも、いまはせみのひびきわたるうなりや、かえるのいきいきした鳴きごえに消されてしまっているではないか。ああ、また雨がふってくる。雲は天の高い砦までもおそうことだろう。東、西、南、北、四方八方のごとく、雨の絃をかきならすハープのようだ。いまこそ、まさに雨の季節なのだ」 雨季の黙想p53、苦しみに耐え新しい力を手に入れるシーン、雨も良いもんですなァ。2016/04/13
Sakie
13
あっという間に読み終えてしまった。ラーマ王子は無事シータ姫と相まみえ、国へ戻り、正しく治めました。おしまい。バールミキがその顛末をラーマの息子たちに伝え、語り継いだ。という形になっている。ラーマの治世は千年続いた。ラーマはヴィシュヌ神の生まれ変わりだからね。でもヒンドゥー教の神話じゃなくて"叙事詩"で、お話だけど、ラーマが大縦断したアヨージャからセイロン島まで、実在の地名がわかっていて、史跡があったりする。ラーマの名を取った地名や廟がある。少なくとも紀元前2世紀から語り継がれる物語。スケールがでかすぎる。2024/03/04
よう
12
私心のない行いは直ちになさるがよい。私心があるようだったら、私心がなくなるまでしてはなりません。 2018/01/21