ちくま文庫<br> カンタベリ物語(上)

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ちくま文庫
カンタベリ物語(上)

  • ISBN:9784480021267

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内容説明

時は14世紀末の4月のある日、ロンドンのとある旅館にカンタベリへ巡礼に行く種々の身分、様々な職業の29人が泊まり合わせた。彼らは道中の退屈しのぎにと、一夜の晩餐を賭けた物語くらべをすることになった。そこで1人づつ、籤引きの順番に話を始めた。――〈近代英詩の父〉と讃えられるチョーサーが中世物語文学のあらゆるジャンルと様式を集大成した畢生の大作を詩人西脇順三郎が丹精を込めた名訳で贈る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

7
「人間というものは、自分で考えたよりもより幸運がいろいろに変装して、時々やって来るのに、神の摂理や運命の変転に対して不平を言うのが普通だ(略)。逆にある人は富を求めてやまないが、それが自分の死の原因となり、大病のみなもととなることは知らないでいる」(50ページ)。人間の解釈や判断がおかしなことになっていることの指摘。富の落とし穴もなかなか気づかないところで、富者は他人をも病気にしているという現実をみようとしないし、謝罪しない人もいる。こんな人こそ偽善者になるのではないか。卑近な事例があれば共感できるもの。2013/02/13

シマ

6
全体的に男女関係というか、夫婦のお話ですね。騎士の従者の話が良かったかなー。ただ個人的には学僧の話の、辛抱を美徳と考えるにも限度があるとは思いますが…。一番自分語りをしたのはバースの奥さんかな?彼女はなかなかかっこよかったですね。2014/12/16

viola

5
院に入る前に読みたかった本・・・だったのですが・・・あー。以前岩波ので挫折してしまったので、ちくまでまた読んでみました。個人的にはこちらのほうが読みやすいかな。面白いか、と聞かれると面白い・・・・・・・・?か微妙なところかなぁ。堅苦しくなく読みやすいけど、結構下品な話が多かったりもしますね。上巻で一番惹かれたのは騎士の話かな。2011/05/19

あかつや

4
チョーサーによる物語集。たまたま同宿した巡礼の旅の者たちが、道中の退屈しのぎにそれぞれお話をしていくという形のいわゆる枠物語というやつだが、いろいろなタイプの物語が混在したごった煮状態にあるので、ここまでは飽きることなく楽しめた。真面目くさったやつの話はつまらんというのは古今東西同じだが、そういう教訓話といっしょにお下劣下ネタ話も取りそろえるという、チョーサーの緩急つけた編集の妙が光っている。特に「粉屋の話」がバカバカしくて好きだなあ。騎士道物語の直後に浮気して尻にキスさせて屁をかます話もってくるとか。2018/11/21

しも3

3
当時の種々雑多な階層の小話の展開を 興味深く読めた。2024/07/20

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