内容説明
ポーとリンカンの署名付稀覯本が売りに出されたが、売主は公平を期すため、それをある場所に隠し、発見した者に獲得させることにした。ところが売主は急死してしまい、隠し場所を示す記号だけが残された……暗号に挑戦する歴史ミステリ他、知的パズル16篇。クイーンはすべての謎を解決するが、さて、あなたは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
46
なるほど確かに犯罪実験室だ。長編ミステリにはネタとして弱いが、短い話ならば書けるワンアイデアを活かした短編が並ぶ。恐らくは言葉遊びや知識を競う遊びをして思いついたアイデアの数々。クイーンの2人がそれらを犯罪に応用する試みを示したのが本書。その中には英米、米仏など異国の文化の違いから生まれる謎もあり、日本人には理解しにくいものもあるが、ちょっとした頭の体操をするにはちょうどいい作品が、そして少しだけ感心してしまうアイデアの妙が詰まった作品が揃っている。そんなアプローチで復刊しませんか?早川書房さん!2014/09/21
布由(ふゆ)
12
菊花殺人事件 結婚式の前夜2021/04/19
タッキー
7
なるほどと思う謎もあれば、なんだかよく分からないストーリーもありぃの微妙な短編集でした。クイーンはやはり長編かな(-_-)2017/04/22
志摩子さん
7
うーん、やっぱりエラリー・クイーンは長編がいいです。短編だと、思いつきを話しているだけという感じが強いです。検証したり、つまり論理をきっちりと展開して、「論理のアクロバット」で「なるほど!」という驚きを味わいたいんだけど、そこまで行き着かないというか……。2016/03/19
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
6
☆×4.0…ぁあ、久しぶりの私のメイン読書復帰だなぁ。(ミステリーの復帰はクロフツでしたが)長編一気読みもいいですが、この作品のような短めの作品を数々読むのも面白いです。たいていは最後に思わぬ形で読者を欺くのが多いです。特に最後のリンカンにまつわるコレクションのお話は思わぬ事実が明らかになるので非常によい作品でした。2010/05/22