文春文庫<br> 不可触領域

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文春文庫
不可触領域

  • 著者名:半村良
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 文藝春秋(2012/05発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167163013
  • NDC分類:913.6

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内容説明

湖上祭りに浮き立つ山間の町を離れて、車で東京へ向った伊島と婚約者敬子は、夜とともに白い霧の森に迷いこむ。渦巻く濃密なガスを押しのけて、突然フロント・フードの上に飛び乗ったのは、なんと牙をむき出した一匹の豹だった。さらに森の奥へと進んだ二人は、見るも無残な光景を見た。その“事件”が平和な地方都市に、どのような波紋を投げかけるのか……。現代の恐怖をリアルに描く異色のSF中篇に、ふとしたことで「異次元空間」を垣間見てしまった画家の奇譚「虚空の男」を併録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホレイシア

5
サブ・リミナルなんて言葉もまだ一般的ではなかった時代、1970年代半ばにそれを扱った作品、当時は斬新なテーマだったのだろうと思うと同時に、半村氏の訴えていることにあまり古さを感じないことに驚く。ナマケモノの話は本当だろうか、それともそこは創作?気になる(笑)。同時収録されている「虚空の男」も、人には生まれたときから物理的に「行ける」範囲が限られているという説が面白い。それを無理に破って外へ出ようとすると…。半村さん、読まず嫌いですみませんでした。2012/09/08

dzuka

2
題名作の「不可触領域」は、いまや周波数の割り当てが問題になる電波の話であり、それが政治利用される話を描いている。 テレビの中に、恐怖を催す画像を挟み込む手法は一時日本でも問題になったが、それに近いことをその数十年前に予言するかのような作品。この著者の先見性には相変わらず頭が下がる。 また、民主主義の面倒臭さと権威主義の効率の良さにも触れおり、まさにいまの世界が直面するテーマであり、人類の繰り返し問題になる永遠の課題であるが、どちらの主義にも潜む人間の欲をよく描いている。古さを感じない作品だった。2021/07/16

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