内容説明
勝海舟は咸臨丸で渡米。大老井伊直弼は桜田門外で水戸浪士に暗殺された。――欧米列強の脅威におののく日本を遊歴するうち、国を憂うる高杉晋作は勤皇の志士として開眼していく。やがて上海へ渡って海外事情にも目覚めた長州の“鼻輪のない暴れ牛”は、松陰の志を継いで倒幕への道を歩み始めた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kaz
16
安政の大獄の首謀者、井伊直弼の暗殺によっていよいよ幕末も激動の時代に。そんな中、晋作は上海を視察し中国と列強の実情をつぶさに視察しながら、己の進むべき方向を確立してゆく。一見、突飛に思えるアイデアもよくよく考えると優れた案であることもある。平時と有事によって、善悪損得の基準を自在に変え、純情でありながら老獪である人物が英雄たりえるのかな。2025/05/25
はちこう
15
どこまでが史実や伝承で、どこからが創作なのかよく分からない。晋作が佐久間象山を訪ねたのは史実だろうが、そこでのやりとりの部分は創作かと思われる。それでも、当時の世の中の空気感や、象山が晋作に伝えたかもしれないことを巧く表現しているような気がする。実際には、晋作は象山を「法螺吹き」と評したらしいが…。ラストの世子定広と晋作らの対面の場面も良かった。定広や周布正之助のような人物による手綱のコントロールがあったからこそ、晋作も偉業を成し遂げることができたのではないだろうか。2025/05/31
ひじり☆
8
高杉晋作が相手の優れた見解に賞嘆しながらも、それを自分の中に間髪入れず取り組み、更に飛躍した見解を打ち出して来るやり取りが痺れる(*´ω`*)色々な人材に出会い、最終的に高杉晋作という自分自身と出会うというところが印象的だった。頭の良い方の話はわかりやすい。佐久間象山の話はすごくわかりやすい!2017/04/09
keroppi
4
「鼻輪のない暴れ牛」高杉晋作が、とにかく動き回る。どんなに理論を持っていても行動しなければ何も無いのと同じ。この行動力は、幕末という時代だから可能だったのだろうか。山岡荘八は、それを新しい時代に向けた胎動だと言う。2015/06/17
Hiroshi Takeshita
3
成長の物語には、大いなる敵が必然だ。この場合、現実は植民地主義の国々だが、物語的には外夷は解決すべき問題であり、敵なるものは主人公を打ちのめし、更なる成長を促す人物なのである。今回のっけからラスボスとしての登場は、佐久間象山である。このラスボス感が半端ない。圧倒的な力で持って主人公を叩きのめすのだ。主人公はすなわち読み手でもあるが、筆者はその圧倒力を内在したままに、読み手を引っ張っておいて、ここぞというところで爆発させるのだ。その激しさ故に、読み手は感嘆せざるを得ないだろう。本当に凄い人である。2025/02/17
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