内容説明
勝海舟は咸臨丸で渡米。大老井伊直弼は桜田門外で水戸浪士に暗殺された。――欧米列強の脅威におののく日本を遊歴するうち、国を憂うる高杉晋作は勤皇の志士として開眼していく。やがて上海へ渡って海外事情にも目覚めた長州の“鼻輪のない暴れ牛”は、松陰の志を継いで倒幕への道を歩み始めた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひじり☆
8
高杉晋作が相手の優れた見解に賞嘆しながらも、それを自分の中に間髪入れず取り組み、更に飛躍した見解を打ち出して来るやり取りが痺れる(*´ω`*)色々な人材に出会い、最終的に高杉晋作という自分自身と出会うというところが印象的だった。頭の良い方の話はわかりやすい。佐久間象山の話はすごくわかりやすい!2017/04/09
keroppi
4
「鼻輪のない暴れ牛」高杉晋作が、とにかく動き回る。どんなに理論を持っていても行動しなければ何も無いのと同じ。この行動力は、幕末という時代だから可能だったのだろうか。山岡荘八は、それを新しい時代に向けた胎動だと言う。2015/06/17
フジコ
4
前半特に象山と晋作の面談シーンにぐっときた。後半特に関心をもったのは“人は生まれながら既に才能に差異がある(省略)見識の不足や迷いというものは、世間知らずが原因で確立しないのではなく、己を知らない為に他ならない。(省略)己を知らない間の見聞は、わきから見れば、笑止千万な餓犬の彷徨に他ならない。いかなる知識も見聞も、まだ知恵として根付く土壌(おのれ)を持たないのだから、文字通り根のない浮き草になるはず。しかし己を知れば、今度は未来までも見えてくる。過去の見聞と経験とがいっせいに脈々と呼吸し活動しだす。”2013/04/18
hiroshi
3
思考し、咆哮し、時代に躍り出ようとする晋作。奇傑という言葉がぴったりな破天荒さ。2021/10/15
よっしー
3
★★★☆革命家・高杉晋作が動き出す。魅力がありすぎる。最終巻も期待。2015/04/12