角川文庫 天界の狂戦士

著者名：川又千秋

KADOKAWA（2013/09発売）

• ISBN：9784041492079

内容説明

月はあまりにも美しく、そして驕慢だった！　月に住む支配者［天帝（ムーン・ロード）］に妻を奪われ、片腕を斬り落された男、雷。村を追われ、あてどない旅に出た彼を待ちうけていたのは、長く続いた戦争で荒れ果て、死にかけた大地と、狂気の超軍団だった……。闘いに傷つき、倒れた雷。だが彼は、復讐のため、自らの肉体を捨て去り、サイボーグの超戦士として蘇った！　男の愛と友情、そして復讐の熱き心を、鮮烈なイマジネーションでパワフルに描く、冒険ＳＦの金字塔！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[おぎにゃん]

核戦争後の荒廃した地球。最愛の妻を｢天帝｣に奪われたひとりの男が、最凶のサイボーグに生まれ変わり、｢天帝｣と｢月世界｣に復讐を誓う…ラスト、最凶のサイボーグとなった男の心に兆す寂寥感と、｢滅び｣のビジョンが心を打つ。単なるアクションSFでは終わらない、｢全面核戦争｣が絵空事ではなかった時代に書かれた、一気読み必至の冒険SFの傑作。

2014/03/02

[ラプトル]

まだまだ日本ＳＦが元気だったころの名作。いったい何度読み返したことだろう。荒廃し文化を失った地球とそれを支配する月。すべてを奪われた地球の男と楽園から追放された月の男。絶望的な状況から始まる壮絶な復讐。文句なしに面白い。

2010/06/26

[爺]

20年ぶりくらいに読み返した。Ｋｉｎｄｌｅで読んだせいか、妙に軽く感じる。電子書籍って物語の重みが感じられなくなる気がする。内容は全く覚えていなかったが、面白かった。ヴィダルが追放されるまでの、圧政によって歪んでいく月世界の物語も読んでみたいな。

2014/02/24

[ma-no]

これは凄い。片時も止まらない筆は、西村寿行や平井和正のようなド迫力です。長篇としては長くない枚数に、人間の怒りと悲しみがぎっしり。

2012/06/07

[NOB]

長いこと、タイトル&作者の名前不明でもだもだしてた本。「天帝・ムーンロード」のキーワード検索でヒットして、やっと読み返せた❗

2017/03/16