内容説明
カメラマンの国立敏夫は、ヨーロッパの裏町を写しまわり、強引な売りこみで海外で成功していた。日本を思い出させるものといえば、離婚した妻との間の娘・江利の面影だけだ。孤独なパリでのひとり暮らしをなぐさめるのは、娼婦のミレーヌ……。 女と夜を描き、現代のエゴイズムを鋭く抉る自選傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
33
また直木賞作家黒岩重吾の本を読みました。自選の短編集です。どろどろとした愛欲の世界が描かれ、露骨な男女の性愛の場面も多いのですが、不思議と静謐で、一抹の哀感を感じる物語ばかりでした。文章が整っており、詩的な表現が多く使われているからでしょう。他の昭和の男性作家と異なり、古風な女性観も出てきません。「華麗な墓標の影」が一番好きな短編です。女好きの外科医が影のある美貌を持つ女性と出会います。彼女は末期の癌でした。薄幸な女性に翻弄されながら、彼女の治療に力を尽くす男の感慨が陰影深く描かれています。2024/11/09
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