集英社文庫<br> 裁きの家

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集英社文庫
裁きの家

  • 著者名:三浦綾子
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 集英社(1983/11発売)
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  • ISBN:9784087500189
  • NDC分類:913.6

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内容説明

憩いの場でも許し合う場でもなく、エゴの衝突する裁きの場――現代の家庭とは何か。北都札幌を舞台に兄弟二人組の夫婦とその家族の内に渦巻く愛憎織りなす人間模様。愛の絆を喪失した現代人の孤独な内奥と原罪をつき、家庭のあり方を問いかける話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

93
昼メロのような雰囲気は否めませんが、三浦綾子らしく物語の核はしっかりしていますね。エゴイズム渦巻く家族は、互いに互いを裁くことでしか成立しえないように見えました。「裁きの家」であることの虚しさは孤独な原罪と言ってもいいでしょう。言葉や態度で裁き会う家族の中には無意識のうちにカーストが出来上がっていたのかもしれません。2017/07/08

Smileえっちゃん

54
古本処分のための再読本。三浦綾子。大学教授の兄とサラリーマンの弟の二組の夫婦が書かれている。自分の快楽と保身しか考えない両親に、純粋すぎる息子の清彦。自分のしたい放題、自己主張のまま生きる滝江と北野。自己主張の果ては死」自分を生んだ女としての母、そして自分自身も、許せなかった清彦。ラストがどうしてこんなに事になるの、名前の通り、優しい叔母優子はどうなったの…人間が人間を裁くなんて出来ない事を伝えたかったのでしょうか。そんな中、吉井と病める妻、美しい夫婦の姿。「難しいのはともに生きる事」なんですね。2020/06/12

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

23
三浦綾子作品はサクサクと読み進めることができるのだが、ここまでやるか、というくらい恐ろしい人物がどっさり出てくる。悪意に満ち満ちたこれらの人々は、連続殺人など起こしているわけではないが、周りにモデルが何人もいそうで、そこが薄気味悪く思うのである。その人物を断罪せずに、裁くのは誰か、を考えさせるのが三浦綾子作品。だからスッキリとは終わらないのである、2015/11/04

ねお

16
読んでいる間、見たくないものを抉り出して突きつけられる作品。「人が人を裁くことができるのか」という問いは法的な命題として想像していたが、むしろ道徳的な命題として、人が生きる中で常に自答しなければならないものだった。不倫ものはあまり得意ではないけれど、三浦さんの作品は読めてしまう。人の心の弱さと傲慢さが露呈したとき、人間とは何か、を常に考えさせる作品だからだと思う。そして三浦さん作品にはそこに精神世界という一筋の光がある。本題よりも修一と関子のこれからや、弘二の精神構造も気になる。続編が読みたくなる作品。2022/06/30

kayon

13
三浦綾子さんといえば「氷点」が有名だけれど、これを第一冊目に選んでみた。40年程前に書かれた本なので、言い回しや時代背景でとても古さを感じる部分もあったけれど、人間の汚い部分を浮き彫りにしたような人たちが一応「家族」として描かれています。決して気持ちのいい本ではないけれど、所々に訓戒のようなフレーズが散りばめられている一冊でした。2015/01/24

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