内容説明
石井菊次は56歳。化粧品会社の宣伝と商品開発の担当部長。妻と二人の子供がいる。だが、平穏無事な生活とはこんなに脆いものなのか。スタイリストの仕事に生きがいを持つ娘の純子が、妻子と別居中の青年実業家・宗と道ならぬ恋におちた。娘の平凡な結婚を願う菊次は、宗の妻が初恋の人の娘であることを知り、複雑な思いに悩む。話題作の上巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kameyomi
15
父の日に、読書家だった義父の蔵書から。とにかく昭和な父親のお話だが、不思議に温かい。読み易い。若者は嫌悪するだろうか。それにしても、純子、どうして…。下巻へ進むのが心配だが、すぐに読みたい。2025/06/15
カーミン
5
菊治は化粧品メーカーの部長職にあり、家では妻と純子、公一の2人の子どもがいる。平凡な家庭であったのに、スタイリストの純子は不倫を大学生の公一は学生運動に手を染める。そして、幸せな家庭が少しずつ崩れていく。引き続き下巻を読みます。2015/01/24
タヌキバヤシ
2
父の葛藤。面白い。非常に面白い。うまくはいえないけど。超おすすめ。2008/08/08
taro jirou
1
1983年9月1日以来の再読。感想は下巻後に2024/08/20
ぷるぷる
1
タイトルから大体想像がつく内容。ホームドラマ化された姿が目に浮かぶ。これ当時松田聖子でドラマ化されたはず。アイドルにヒロインやらせて中高年層にまで人気を広げようとでもしたんですかねぇ。実にこなれた印象で懐の広い遠藤周作先生はこんな下衆な仕事も余裕でこなすようです。定年間近の父親が子どもや社会との間に生じたズレに戸惑い悩むというお話。こんなドラマ昔はよくあった気がします。そんな主人公に自分を投影して共感しながら自らに酔うという戦前世代の楽しみ方。現代ではちょっとキモい。下巻でどんな決着するのかは楽しみ。2017/12/16