若き数学者のアメリカ

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若き数学者のアメリカ

  • 著者名:藤原正彦【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2013/06発売)
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  • ISBN:9784101248011

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内容説明

1972年の夏、ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬をむかえた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなりアメリカにとけこむ頃、難関を乗り越えてコロラド大学助教授に推薦される。知識は乏しいが大らかな学生たちに週6時間の講義をする。自分のすべてをアメリカにぶつけた青年数学者の躍動する体験記。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

131
「夜の天井は星屑であり、下には不動の暗黒があった」この書き出しにいきなりやられてしまった。藤原氏の文章は数学者のそれではない。いや、しばしばオイラーの等式がその神懸かった美しさを持つと礼賛されるように、数学者とは「真理」を追い求めつつ「美」を至上の位におく芸術家なのかもしれない。そうであれば、氏の文章が示唆に富むと同時に詩的であることも肯ける。私ごときが偉そうなことを言ってしまった。ともかく氏の文章に酔いしれるとともに、ものの見方、考え方に触発され、気がついたら一気に読み終えていた。刺激的な時間に感謝。2015/09/18

夜長月🌙@新潮部

71
(再読)単身アメリカに乗り込んでアメリカと日本の文化的な違い、国民性の違いなどを生々しい感性と共に暴露します。疎外感を感じたり、一躍人気者になったり、ピエロと感じたり……。文化の冷静な比較ではなく心の吐露であるところが読み手を引き付けます。日本人を日本人たらしめる心の底にあるものはやはり幼い頃からの日本文化への親しみなのでしょうか。父・新田次郎からの手紙にある一句が心を打ちます。2018/08/10

いちねんせい

70
おもしろかった!流れるような文章のテンポと躍動感。40年前、今ほど海外に留学したり住んだりするということが当たり前ではなかった時代、デミアン先生の奮闘する様子は読んでいてとても興味深いが、いろんな意味でその苦労は今とは比べ物にならなかっただろうなぁと感じる。日本がいかに遠く感じたことだろうか。読み終わった今、私も自分の日本性を除去しなくてもよいのだなと再確認した。他の本ももっと読んでみたいと思った。2019/05/23

TATA

60
藤原正彦さん初読み。国家論や民族論の論客というよりは、新田次郎さんと藤原ていさんの息子さんという認識で読んでしまう。数学者として武者修行の為米国へ。前半はカジノにガールハントと少しはっちゃけ気味?お母様が満州から必死の思いで子連れで引き揚げてきたことがつい頭に浮かぶのですが。我ながら、一体誰目線で読んでるのか(笑)。今のようなネットもない時代、さすがにホームシックにもなりながらもこうやって気骨ある日本人に成長していったのですね。少し茶化していうなら、数学者の「深夜特急」というところかな。2022/02/05

おいしゃん

47
こんなに面白い本があったのか!こんな巧い作家がいたのか!という幸福感を久しぶりに味わえた。著者は数学者だが、専業の作家にも負けぬ筆力に驚いた。昔の作品だが古さは微塵も感じぬ、瑞々しいエッセイで、すっかりお気に入りに。2019/08/14

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