内容説明
〈読者各位──「題未定」は「題」ではありません。いつも作品の題には大変苦しみ、書き上げてからつけるのですが、今度は、締切りが来ても、どうにも適当な題が思いつけず、とうとう題未定のままに〉はじまるという前代未聞の幕開き。そこまで行き詰まっているのか、と思いきや、そこは「日本沈没」の著者。またもやどえらいことを企んで……。未来の自分から手紙が届き、作家・小松左京みずからが時間と空間をドタバタかけめぐる長篇怪奇ユーモアSF、電子書籍で待望の復刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kuukazoo
4
小松左京はかなり読んだつもりだったけどこれは読んでなかった。メタ小説かと思ったらそこを外れて宇宙人、テレポート、そして時間移動、歴史改変ネタ3連発(そしてハイパー過ぎて解説されないとわからない無茶な駄洒落)、こんなに風呂敷広げまくってどーすんだと読者に心配させながらも楽しく読ませ、それなりにまとめあげてしまうさすがの小松左京。田辺聖子の「お聖どん・アドベンチャー」などSF作家内輪ネタもなつかしく。あと、これだけは言いたい。「どこが"怪奇SF"やねん!」2015/10/22
山像
1
「小松左京」自身が時空を越えてホノルルやUFO、鎖国開始直後から大東亜共栄圏の陰謀渦巻いている江戸時代などの様々な舞台を巡る先々で「題未定」に引っ掛けたダジャレと出会い、そのアイテムや人物が展開を牽引していくメタフィクショナルパラレルワールドSF、という筋だけだと面白そうだが、なんだかこのおふざけた展開の面と小松左京生来の生真面目さというか硬さという気質面とが絶妙に噛み合わない気がする。 やっぱり重厚長大SFの人だなあと認識。2016/07/31
1977年から
0
1978年
いづみ
0
表紙にもうたわれているように、「怪奇SF」の長編。題も決まらなけりゃ話も浮かばない、そんな悪戦苦闘の作者の姿から始まって…あとはてんやわんやの物語です。ちょっとネタバレになりますが、歴史改変系のSFは元となる歴史に詳しくないといまいち楽しめないのがいつも無念だったり。しょんぼり。2012/04/17
maki
0
2001年以前2001/01/01