内容説明
「空中火山」の大噴煙。殺人光線。轟音と爆風。閃光と熱波。そして奇跡──昭和二十年八月六日の広島原子爆弾投下に遭遇し、生き残った人文学者が「亡き妻への手紙」として綴った、戦後最初に公刊された体験記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とーとろじい
4
本書は広島大学の前身である文理科大学で当時教授だった著者の原爆体験記である。序文が高村光太郎で驚いたが交流があったようだ。原爆投下直後のヒロシマを妻を探して歩き回る著者の視点は無惨な景色を刻々と写しとっていくのだが、こんなにも放射線に晒されているのにその後も無事だというのが不思議でしょうがない。映像を見ているような写実性と妻をめぐる悲哀のドラマとが記録と題されたこの書に小説の力を与えずにはおかない。これほどに原爆被害をリアルに感じられる本も貴重だと思うのでもっと読まれて欲しいものだ。2021/12/23




