内容説明
歴史上の人物を語っては当代随一といわれたの著者の史談・史論・随筆を上・下2巻に収録。調査の精緻、論理の正確明晰に加えて、読物としての面白さ、小説的描写を以て、歴史上の人物に焦点をあてる。上巻には、「西郷南洲の悲劇」「乱世の英雄」「武蔵の強さ」ほか、明治維新・江戸・安土桃山期の傑作23篇を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuji
4
★★★★☆海音寺さんが薩摩出身ということなのだろうが、本の半分くらい(いやそれ以上か?)は「薩摩」の話。さらにその半分位は「西郷隆盛」の話だったかもしれない。その位、海音寺さんが西郷のことを尊敬しているということを感じられる本でした。それはさておき日本史全般についてこれだけの識者であるということにちょっと脱帽という感じでした。こういう識者が書く小説であるからこそフィクションに説得力があるのだと思う。由比正雪をインチキと一刀両断したり、仁徳天皇を全く「仁徳」の無い人と断じたりとなかなか面白かった。2018/02/20
BIN
2
海音寺さんが薩摩出身ということもあるのか西郷隆盛をかなり尊敬しており、誠実さ、偉大さ、英雄さが伝わってきました。西郷ものが読みたくなった。また全く注目してなかった戦国武将田中吉政。農民からの成り上がりで自分の才覚だけで柳河藩主にまで登りつめた意外と面白い人物。あとは兵法家とかも多く書かれているが、国定忠治とかいろいろな時代のいろいろな人物のことが書かれているので知らないこともかなり多くて面白かった。2015/11/26