内容説明
日本歴史の動乱期には必ず出現し、暗躍する謎の〈ヒ〉一族。彼らは三種の神器を用い、人智を超えた特殊能力を駆使して動き回った。その秘密を知った徳川家康は、戦国の世を勝ち抜き、三百年にわたる治世の基盤を築いた。だが、平和が続きすぎ、そのため世の中に悪の翳りが見えはじめた時〈ヒ〉の自覚を持った土佐の青年坂本龍馬が新しい日本を目指し立ち上がった。数百年にわたる〈ヒ〉一族の運命を壮大な構想で描く長編伝奇SF。第一回泉鏡花文学賞受賞作品。
カバーイラスト/杉本一文
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mike_sugino
5
だいぶ以前にセールで購入したKindle版上下巻をやっとこさ読了。上古より天皇家の忍びとして働いてきたヒ一族の物語で、上巻は戦国時代、下巻では江戸時代と昭和が描かれている。著者の小説は『妖星伝』以来だと思うけど、その『妖星伝』に出てきた「地球には生が多すぎる」という意味あいの言葉が本書にも出てきて、世界観は昔から昔から変わっていないのを再確認。先日まで読んでいた『ロスト・シンボル』でのワシントンD.C.の記述が本書にもちらっと出てきてビックリ(^_^;2022/08/26
鮎川まどか@AnxAn
5
うーむ。 維新周辺の抜け落ちが惜しい。 カッとんだ結末にビックリはした。 これは伝奇かSFか、迷う(笑)。2011/04/25
ひらり庵
4
東京出張へ持参。幕末篇はスターが勢揃いで、やはり面白かった。お龍を良く描いた作品は珍しい。さらに、時代が飛び、現代篇。飛稚は光のネットワークの種をまき失踪、彼の帰還を待つ人々の会話がとても良い。2015/06/14
★★★★★
4
上巻よりはダイナミズムを感じるけど、やっぱあんまり面白くないなぁ。。。2009/02/21
冬鹿
3
機巧のイヴの解説で、時代劇SFとして紹介されていたのをきっかけに読み始めた。上巻を読んでから一年ほど経ってやっと下巻を見つけて完結。 面白かった。日本史とのリンクにワクワクしつつ筆の幅に驚かされた。もう少し読者を裏切る展開やSF要素を取り入れてほしい気持ちも少しある。 時代劇SF沼へどんどんハマっていく...しかしジャンルとして作品の絶対数が少ないことが残念...増えてくれぇ〜2019/09/16