内容説明
58歳にして初めてソ連領中央アジアに旅し、青年時代からの夢を果たしたのが昭和40年。以来、著者は憑かれたようにシルクロード地帯を訪れる。53年、名作『敦煌』を発表してから20年を経てその舞台に立つ。55年、ヘディン、スタイン以後、外国人として初めて西域南道に足を踏みいれる。――本書は、〈絹の道〉の栄光の歴史のあとを経巡った15年間の旅の記録である。写真多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おとん707
11
昭和40年ー55年にかけ西域を旅した紀行文。筆者は「敦煌」や「楼蘭」の作者だが執筆時は現地に行ったことはなくこの企画で初めて足を踏み入れたとのこと。つまりこれら作品は情報と想像で創作したことになる。市川沙央「ハンチバック」に情報と想像だけで執筆するコタツ記事ライターというのが出てくるが、それに擬えるのは不適切かもしれないが、情報の乏しい時代に現場を全く体験せず創作した作者の苦労が窺える。この旅で著者は現地を体験するがあるがままを受入れたようで新たな事実を見つけたわけでもなさそう。なお謎多き所だったらしい。2023/08/22
さっと
7
『西域物語』に続いて井上靖さんのシルクロード紀行二冊目。重複する内容がほとんどだけれど、トルコ、エジプトなど探訪範囲は広がっており、すでに作品化していた敦煌や楼蘭の実地を踏んだ喜びの声もあってバラエティに富んでいる。50―70代の晩年に憧れの西域を訪れる機会に恵まれた著者の、ソ連・中国領の場所にあって、外人(著者)の訪問は世界で数人目みたいなところも嬉々として赴くバイタリティがすごい。カラー写真が見たくてググると、世界遺産になっているところも多い。2022/09/03
東森久利斗
3
タイトルに偽りなし。シルクロードの遺跡を巡る旅の記録。遺跡の紹介。典型的紀行ものという先入観は、全くかすりもせず、小説同様、井上靖らしいいたって真面目な教科書的内容。物見遊山の旅ではないので、分かっちゃいるが、もう少し何とかならないものか? 写真や図版も欲しい。池波正太郎や椎名誠の紀行エッセイには物語が存在し、生き生きとしており、読んでるほうまで、旅をしている気分になってくる。それに比べると・・・2020/10/29
ホレイシア
3
一通り西域ものは制覇したはず。2008/01/01
光秋
2
老境の大作家と言えど少年のような冒険心はぬぐえない。むしろ少年より感慨において感動の深さは比べるべくもないだろう。齢70にして砂漠の、しかも半世紀も前に旅するなんて自分だったらどうだろうか。砂漠の風景や遺跡の情景を事細かに伝えてくれます。街中の博物館や施設にはあまり食指はわかなかった模様。この辺正直です。あとは町々の女性の衣服についても必ずレポート入れてる。男性はほぼなし。裸足だったとかそれぐらい。砂に埋もれて古代の街も遺跡も面影はない。それは仕方ない。残念だけどね。日本も飛鳥時代とは様相が違うんだしね。2025/09/23
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