内容説明
事もあろうに、自分の妹が〈残虐魔〉の第五の被害者になろうとは! 絞殺された死体に赤ペンキが噴きつけられ、局所には現場附近の木の葉が押し込まれていた。そして、それは新進弁護士・波多野丈二の妻が何者かに暴行されかかり、自殺した日と同じ日であったが、果してそれは偶然なのか? 波多野の苦悩をよそに〈残虐魔〉は第六、第七の犯行を重ねてゆく。笹沢左保が贈る猟奇ミステリー巨篇!
感想・レビュー
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kidatarou56
1
メインの誤認トリックそのものは、今となっては別に珍しくもなんともないが、二段構えでそれをわかりにくくしている構造はさすが。 恋愛と犯罪の動機・展開がうまく説得力をもってリンクつつ、それでいて後味が悪くないというのは、自分好みでうれしい。 やっていることは大犯罪ですがこの作者にしてはあまり犯人を悪く書いていないような気がします。 タイトルの意味がラストで反転するのも気が利いている真犯人の動機というか真相のエピソードに貸しては古臭さはいなめないですが。2012/11/18
user
0
『週刊サンケイ』77・5・12~78・3・232010/05/17