出版社内容情報
妻ディアーナをモデルに描いた『東方ノ女神』で一躍時代の寵児となった画家ショーン。だが、モデルを務めるうちに、ディアーナは次第に奇妙な感覚を覚え始める。夫が描いているのは自分ではない。だが夫も、周囲の人々も彼女の不安を理解せず、彼女は次第に憔悴し、謎の死を遂げる。そしてその後モデルとなったローズマリーも同じことを言い始めた。彼女たちを追い詰めたのはなにか……。描くことに取り憑かれた画家をめぐる幻想譚。
内容説明
妻をモデルに描いた肖像画『東方ノ女神』で一躍時代の寵児となった画家ショーン。だが、妻のディアーナはモデルを務めるうちに、奇妙な感覚を覚えるようになっていた。夫が描いているのは自分ではない―。しかし夫も周囲の人々もディアーナの不安を理解せず、思い悩んだ彼女は次第に憔悴し、謎の死を遂げる。そして、彼女に代わってモデルとなったローズマリーも同じことを口にするように…。第二回創元ファンタジイ新人賞受賞『宝石鳥』の著者がおくる、描くことにとり憑かれた画家と、彼を取り巻く女性たちをめぐる幻想譚。
著者等紹介
鴇澤亜妃子[トキザワアキコ]
神奈川県出身。東洋大学印度哲学科卒業。『宝石鳥』で第二回創元ファンタジイ新人賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
145
いかにもファンタジーって感じで、好きな人はたまらないんでしょうが、私はちょっと。 ただ、いい感じに謎が提供されてて、その部分がミステリー要素となって読ませます。 さて、最後まで読んでみて、答えがわからなかった私が悪いのでしょう。 まあ、ファンタジーですし、これでいいんですということなんでしょう。 幻想的な雰囲気は満喫できますしね。 2021/09/30
よっち
36
妻ディアーナをモデルに描いた『東方ノ女神』で一躍時代の寵児となった画家ショーン。しかし奇妙なことを訴えるようになっていた妻が亡くなってしまう描くことに取り憑かれた画家をめぐる美と狂気幻想譚。まるで絵に存在を吸い取られるかのように次第に衰えていったディアーナ。その後モデルとなったローズマリーもまた異常なほど憔悴していく理由の推測は提示されましたけど、取り憑かれたように絵を描き続けるショーンは、一方で愛する人への配慮がどこか欠落していて、だからこそミシェルの決断やヨハネスとマデラインの関係が印象に残りました。2021/01/02
ぽてち
22
初読みの作家さん。東京創元社からのメールマガジンでタイトルと紹介文を読み、「これはおもしろそうだ」とサイン本(^o^)を予約した。うーん、一気に読んでしまったし、おもしろかったのだけれど、期待していたものとは違っていた。雰囲気で読ませるタイプの幻想譚、だろうか。結局なんだったのか、もやもやとした感じが拭えない。でも好きなタイプの作家さんだったので、他の著作も読んでみよう。2020/12/27
Norico
6
天使派の画家ショーンが描いたものはなんなのかを探究する物語。宝石鳥とは印象が違った。2022/10/27
ムーミンママ
5
絵画の中に閉じ込められるいくモデルと絵画の中に閉じ込める画家。。幻想的な作品でした。第3章に出てくる セルジュさんの話が読んでみたい。2021/05/08
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