目次
母の不安
春はわかるか
アルツハイマーという恥
こちらとあちら
する側とされる側
母の存在を感じる
月の介護
消すことができないもの
五時間の距離
介護に潜む闇
胃ろうと人工呼吸
ゆっくりな死
支える側が支えられるとき
著者等紹介
藤川幸之助[フジカワコウノスケ]
詩人。児童文学作家。日本児童文学者協会会員。写真家。1962年、熊本県生まれ。長崎大学教育学部大学院修士課程修了。小学校の教師を経て、認知症の母親の介護の経験をもとに、命や認知症を題材にした詩を作り続けている。また、認知症への理解を深めるため全国各地で講演活動を行っている。これまでの講演回数は400回を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ochatomo
10
これまで詩で表現してきた事をエッセイで綴る 「母の日記」の顛末や「わかろうとし続ける」大切さに納得したり、小学生の教え子たちが側に来て何も聞かずに慰めてくれたエピソードに心打たれたり、認知症介護に携わる苦しみ喜びについてよく言い尽くされていると思った 誰でも感じることだけれども詩人だから言葉を多くの人へ届けられるのだと思う 著者撮影の写真も良い 8年間介護を担ったお父様が1997年に亡くなり遺言で介護を受け継ぎ、2013年84歳でお母様が亡くなられた時には妻がおられたようでほっとした 2021刊2024/05/16
okatake
1
認知症介護業界(?)では、名の通っている詩人の母の介護の軌跡。 赤裸々に自身の態度や思いを綴っています。 完璧な人間はいません。その家族関係やそのときおかれていた自分の環境、認知症や介護保険への知識の多寡によっても大きく異なります。 ただ、親はどんな状況になっても、年齢を重ねて自分自身が介護を受ける身になっても子どもへ大きな学びを提供してくれています。それが、それぞれの生き様なのかなと思います。2021/10/14