デカルト哲学とその射程

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 383p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784335150456
  • NDC分類 135.2
  • Cコード C3010

内容説明

デカルト研究で国際的に知られる著者が、デカルトの体系の解明を通して、デカルトを単に「意識中心の観念論者」、「心身二元論者」、「数学的合理主義者」などとする通俗説の一面性を指摘し、細分化された現代哲学の状況に警鐘を鳴らす、新しい総合的デカルト像を提示する。

目次

第1部 デカルトにおける知覚、科学、形而上学
第2部 デカルトの形而上学と心の哲学(デカルトの永遠真理創造説とその諸問題;神の創造と偶然性―デカルトとドゥンス・スコトゥスの場合;デカルト形而上学の基本構造―観念論から実在論へ ほか)
第3部 デカルトの自然学と近代科学(『哲学の原理』における自然学と形而上学の連接;近代科学のテイクオフと方法的制覇―デカルトにおける近代の科学/技術の設定;自然観の変容―近代自然科学の成立とその本性 ほか)
第4部 デカルト哲学の射程(17世紀哲学におけるイデアと観念の問題;現象学批判試論―「超越論的現象学による学問の基礎づけ」と「生活世界論」をめぐって;デカルトと現代哲学―デカルト哲学は乗り越えられたのか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Z

7
抽象によることなく、生得的に認識できることを意味する。そこから外界よりも自己の精神の明証性を引き出す方法的態度が出てくる。無論そこから神の存在を持ち出すのは無理があるが、アリストテレス、プラトン、スコラ哲学、そしてライプニッツ、ニュートンと比較しデカルト哲学をそれほど難解でない調子で解説しており、かなり勉強になった。2019/04/24

Z

7
名著。デカルトなんて中途半端に神に頼ったやつというくらいに思っていたが、ようやくデカルトの本質に触れた気がする。デカルトは若い頃に自然を数学によって法則として表すというその頃新しい自然観に触れた。デカルトには永遠真理創造説という思想がある。排中律や1+1=2は神が作ったのかそれとも神も従うルールなのか。伝統的にイデア界におかれていた数学的真理を自然界と同じく創造されたもととした。神はそれを人間精神のうちに刻印し、他方自然を構成するものとして作ったというのが、自然科学の基礎となる命題とした。これは感覚からの2019/04/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1676259
  • ご注意事項