感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Midori Nozawa
11
(上)に続き(下)も読みました。満蒙開拓団という政府が行った事業で、第二次大戦のごく末期に渡満した人々。8月9日ソ連が参戦し、敗戦を知った人々は大慌てで逃避行を始めるも、略奪、強姦、餓死、病死など多くの犠牲者を出しました。関東軍はいち早く撤退し、開拓団は見放された形でした。現地の中国人に孤児たちは売られて、成長することができました。1972年の日中国交正常化により、帰国が国費でも可能となりましたが、国に残した養父母への補償や、帰国したものの日本語がしゃべれず仕事につけない苦労を背負わす結果となりました。2020/10/05
てまり
1
九州あたり、そもそも開拓団が少なめで、この本に登場するのも公務員的な人の子供が多い。地域性なのか、証言者が比較的少ないからか、お一人お一人が饒舌でエピソードが豊富なので下巻の方が読みやすいです。帰らなかった人や養父母のインタビューもあり。ただ語りのうまさ、拙さと体験そのものは関連性はないんだよなとも考える。みなさん、言葉が拙いため日本社会で信頼が必要な仕事などが難しかったとおっしゃってるので、特にそれは気をつけていきたい。2021/07/15
とむ
0
日本に帰国せずに中国にそのまま在住した方もいらっしゃいました。 たくさんの愛情を注いで育ててくれた中国の養父母には感謝の気持ちでいっぱいです。 愛情を注がずに、ただただ労働者としてのみとしていた中国の養父母もいたことに、現実を思い知らされました。2022/11/25