感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Midori Nozawa
11
「あの戦争さえなかったら」(上)(下)を読み、本書も読み終えました。著者は根気強く、中国残留孤児、残留婦人からインタビューして文字化されました。本書は作り物でない生きた歴史です。彼らの言葉で、第二次大戦をどう生き延びたのかが語られています。「今が一番幸せ」と語る人たちはやっとつかんだ日本での平穏な日々。中国で生まれた子、孫たちが日本語を習得し、仕事をもち自分を大切にしてくれる。その陰で何人の死を見て来たでしょう。「敗戦」で逃げ惑ったあの日々。国力も全然敵わぬ国と開戦すると誰が言いだし、それに従った国民。2020/10/27